ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
この記事を書いている2021年2月時点でも、依然コロナウイルスの感染拡大は深刻な状況が続いています。
日本では一部自治体で、昨年に続き二度目となる緊急事態宣言が発令されています。
私も昨年以来、マスクの着用とうがい、手洗いの実施を徹底しています。個人的にできることを、できるだけ徹底していこうと考えています。
「検疫」を意味する英語"quarantine"
ところで、今回のコロナウイルス対策に関するニュースを見ていて、ある単語に目が留まりました。
「検疫」を意味する英語"quarantine" [クオランティーン]です。
「検疫」とは、伝染病などの感染拡大を防ぐために、出入りする人や物を検査することです。
空港等で、"quarantine"という表示を目にしたことがある方も多いと思います。
日本語の「検疫」という言葉は、「疫(病)を検(査)する」という熟語だと推測がつきますが、英語"quarantine"は一見して由来が分かりません。
そこで、今回は"quarantine"という単語について調べてみました。
"quarantine"の由来はイタリア語!?
まずは辞書を調べてみます。すると、イタリア語"quaranta"[クワランタ]から派生した"quarantina"[クワランティーナ]が由来だとする記載がありました。
気になるその意味ですが、"quaranta"は「40」という数字を表す単語であり、派生語の"quarantina"は「40日間」という意味だそうです。
でも、なぜ「40日間」という単語が英語に入り、さらには「検疫」を意味することになったのでしょうか。
その答えは、"quarantina"「40日間」という単語が使われた背景にありました。
「検疫」は、ペスト対策から始まった!?
"quarantine"「検疫」の由来となったイタリア語"quarantina"ですが、厳密にいえばこの単語はヴェネツィアで使われていたヴェネツィア語から生まれたそうです。
イタリアは現在こそ共和国として一つの国を構成していますが、近世まではジェノヴァ共和国やナポリ王国、ヴェネツィア共和国など複数の国家が独立して存在していました。
ヴェネツィア語は、ヴェネツィア共和国で用いられた公用語です。
ヴェネツィアといえば現在でも「水の都」として知られイタリア旅行の人気な観光地ですが、当時から海運国家として繁栄していました。多くの船が交易のために各地から出入りをします。
ただ、船を通じて様々な人や物が往来するというのは、外部からもたらされる病気が蔓延するリスクも当然あります。
特に14世紀、中性ヨーロッパではペストが大流行しました。
ヴェネツィア共和国では、そんなペストに対し1377年にある政策を施行します。
それが、「ペスト被害のあった地域から来た船は、港に入る前に40日間(="quarantina")待機させる」という政策です。
この政策にある"quarantina"が後に英語にもたらされ、1670年頃には「強制的に隔離する期間」として用いられ始めた為に、「40日間」という単語が「検疫」を意味するようになったんですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回の記事では、「検疫」という単語について調べてみました。
その背景には、ペストに対する当時の対策があったのですね。
昨今のコロナウイルスに対しても、多くの方が注意深く生活や仕事をしています。
また治療に当たる医療従事者の方々が日夜、命の危険の中でも奮闘して下さっています。
ウイルスという見えない敵との戦いは大変難しい問題ですが、ワクチンも開発・流通し始めるなど、世界が解決に向け取り組んでいます。
昔に猛威を振るったペストを乗り越えたように、今回のコロナウイルスに対しても一日でも早く乗り越えて、これまでの生活に戻れるようになればと思います。