「デジタル」という言葉の語源は、実は体の「あの部位」だった!?

2021/02/01

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

昨今、"DX"という言葉がよく聞かれるようになりました。

"DX"(デジタルトランスフォーメーション)は、IT・デジタル機器の浸透により社会に変革がもたらされることで、2004年にスウェーデンの大学教授によって提唱されたのが始まりなのだそうです。

てっきりここ最近になって言われ始めた言葉だと思っていたので、2004年と聞いてとても驚きました。 


「デジタル」ってそもそもどういう意味?

ところで、この「デジタル」という単語ですが、日常的によく使われ、すっかり外来語としても定着していますが、そもそもどういう意味の単語なのか、私にはいまいちピンと来ていませんでした。

「デジタル」という単語自体は英語"digital"のカタカナ表記だとして、ではその原義は何なのか…?

世の中にパソコンやスマートフォンなどの「デジタル」機器が現れたのはここ最近ですが、単語としての"digital"はそれ以前から存在していたはずですよね?

というわけで、この記事では"digital"という単語について調べてみました。


英単語"digital"の意味とは?

早速、"digital"という単語を辞書で調べると、以下のことが分かりました。

 [形容詞]

 1.指に関する、指で操作する

 2.2進数で表された

 3.コンピュータまたはITに関する

元の意味を知るとしっくりきますね。パソコンにせよスマートフォンにせよ、「デジタル」機器は指で操作するものばかりです。

「デジタル」機器というのは、要するに日本語で「指で操作する」機器だと言えますね。


英語の「指」に関する2つの単語のなぜ?

ところで、英語には「指」を意味する単語として"finger"[フィンガー]があります。基本単語ですね。

名詞"finger"と形容詞"digital"は、どちらも「指」に関係する言葉でありながら、単語の見た目が異なります。これはどういうことでしょう?

答えは、それぞれの単語のルーツにあります。

まず名詞"finger"ですが、これはゲルマン系のルーツを持ちます。

英語の母国であるイングランドは、その昔ゲルマン民族の一部族である「アングロ・サクソン」が現在のドイツあたりから海を越えて現在のイギリスに定住したのが始まりです。

そのため、英語は同じゲルマン系のドイツ語やオランダ語と似た単語が存在します。

(ちなみに、ドイツ語でも「指」は"Finger"[フィンガー]です!)

ただ、英語がほかのゲルマン系の言語と異なる点に、「ノルマンコンクエスト」という歴史的な背景があります。

今からおよそ1000年も前に、当時のイングランドがフランスからやってきたノルマン人に征服されたというのが「ノルマンコンクエスト」です。

そもそもノルマン人もルーツは北欧のバイキングですが、フランスで領地を得てフランス語を習得していた彼らがイングランドを征したことで、イングランドはフランス語で支配されることとなったのです。

英語"digital"は、その支配下でフランス語から入った単語ということです。そして、フランス語はゲルマン系の言語とは異なり、ラテン語にルーツを持つ言語です。

英語がたどった歴史から、ゲルマン系の"finger"とラテン語ルーツの"digital"が共存して現在に至るということですね。


ラテン語から派生した「指」を意味する単語たち

上で述べたように、フランス語はラテン語にルーツを持つ単語です。そのフランス語では、「指」をどう表現するのでしょうか?

フランス語では、"doigt" [ドワ]が「指」を表す単語です。

そもそも"digital"という単語は、ラテン語の形容詞"digitalis"[ディギタリス]に由来するのですが、その名詞形は"digitus"[ディギトゥス]で、「指」を表します。

ラテン語"digitus"とフランス語"doigt"を見るに、両言語の関係性がうかがえますね。

また、ラテン語にルーツを持つ言語はフランス語以外にもいくつかあります。代表的な言語で、「指」を表す単語を以下に見てみましょう。

 イタリア語  dito [ディート]

 ルーマニア語 deget [デジェト]

 スペイン語  dedo [デード]

 ポルトガル語 dedo [デードゥ]

どの言語もラテン語"digitus"との関連性が分かりますし、同じルーツを持つことから各言語で似ていることも分かりますね。


最後に

いかがでしたでしょうか。何気なく日常的に使っている外来語も、調べてみるとしっくりくる意味があるんだなと感じさせられました。

とはいえ、英単語の意味を調べることで英語の歴史に思いをはせ、さらにはラテン語にルーツを持つほかの言語の単語まで広がっていくのですから、外国語学習の奥深さはあなどれませんね。

繰り返しながら、我々の身の回りにある「デジタル」機器は、意味通り「指で操作する」ものばかりですね。

実際に今この記事も私はパソコンを使って、「指で」キーボードを打ちながら作成しています。

とはいえ、新たな技術の開発がますます進む世の中、「指で操作する」時代もいつかは古いものになってしまうかもしれません…。

例えば「音声入力」であれば、「指」に頼らず「デジタル」機器を操作できてしまいます。

語源や歴史をさかのぼってばかりで、最新の技術に遅れることがないようにもしたいですね。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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