ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
外国語を学んでいて特に楽しいのは、母国語(日本語)とは違う考え方や表現の仕方などに触れ、新たな発見があった時ですよね。
今回の記事では、ある英単語に焦点を当てて、私が最近「面白い!」と感じた発見を紹介しようと思います。
英単語"beam"の意味について
英単語の中でも、"beam"は多くの方が知っている単語だと思います。
「ビーム」とカナ表記もされ、「光線」を意味する外来語として日常的にも使われます。
ところが、この"beam"の本来の意味は「光線」ではありません。
辞書を確認すると、「梁(はり)、桁(けた)」「(骨組み用などの)まっすぐな角材」という意味が最初に出てきます。
「ビーム」のイメージからいきなり「角材」と言われてもピンときませんが、語源をさかのぼると、やはり本来の意味は木に関する単語だということが分かります。
"beam"の語源とは?
"beam"のルーツを探ると、英語の先祖であるゲルマン祖語"*baumaz"という単語に行きつきました。
このゲルマン祖語には英語の他にも子孫がおり、代表的な言語としてドイツ語やオランダ語が挙げられます。
ここで、ドイツ語とオランダ語における"*baumaz"にルーツを持つ単語を調べてみます。
すると、ドイツ語"Baum" [バウム]、オランダ語"boom" [ボーム]という単語が見つかりました。
この単語、どちらも両言語で「木」を意味する基本単語なのです。
以上から、同じルーツを持つ英単語"beam"も、本来は「木」を原義とする単語であると言えますね。「角材」という意味があると言われても納得です。
なぜ「木」が「光線」を表すようになったのか?
では、なぜもともと「木」という意味の"beam"が、「光線」という意味で用いられるようになったのでしょうか。
私が勉強するうえで大変重宝しているサイトに"online etymology dictionary"というものがあります。
サイト名通り、英語の語源を詳述してくださっているのですが、とてもありがたいことに無料で閲覧することができます。
早速、"beam"について調べたところ、以下の記載がありました。
Meaning "ray of light" developed in Old English, probably because beam was used by Bede to render Latin columna (lucis), the Biblical "pillar of fire."
(出典:Online Etymology Dictionary)
訳出しますと、「光線」の意味ははるか昔、古英語(450年~1150年頃まで使われていた英語)の時代にはすでに現れていたというのです。
またその初出は、おそらくベーダというイングランドの歴史家が当時、聖書で「炎の柱」という意味で使われたラテン語"columna (lucis)"を英訳する際に"beam"が用いられたからだろう、としています。
ラテン語"columna"も、本来は「柱」という木と関り深い意味を持つ単語ですので、英訳に"beam"を用いたという点も納得できます。
日本語でも「火柱」なんていう表現がありますが、立ち上る火や発せられる光の線は、木が伸びる様と紐づけられやすいのかもしれませんね。
"beam"と"ray"は何が違う?
ところで、日本語で「光線」という意味でイメージされる"beam"について調べてきましたが、英語には「光線」を意味する単語に"ray"というものもありますね。
この2つの単語の違いは何でしょうか?
調べによると、「一方向に真っすぐに伸びる光線」が"beam"の場合は特にイメージされるとのこと。
一方、"ray"は「放射線」という意味もあり、「四方八方に伸びる光線」や「真っすぐでは無い光線」というイメージがあるそうです。
言われてみれば、エックス線は英語で"X-ray"です。「光線」のイメージから、"beam"ではなく"ray"が使われるのですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は外来語としても定着している「ビーム」について、調べてみました。
英語というメジャー言語においても、少し違った視点から見てみると面白い発見ができることと思います。
こうした発見が、英語をはじめ外国語学習の興味を高めるきっかけとなれば、なお良いですね。
こと英語に関しては既に様々な情報があふれている時代ですが、まだまだ興味深い発見は多くあると思っているので、今後も学習の中で面白い発見などがあれば紹介していきたいと思います。