ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
突然ですが、最近初めて知ったことがあります。
先日、ささやかながら家族にお菓子を買って帰りました。
まあ、私が大のスイーツ好きということもあって、半分は私が食べたいと思って買ったのですが、百貨店の地下で「アンリ・シャルパンティエ」の焼き菓子(フィナンシェ)の詰め合わせを買って帰りました。
ところで、この「アンリ・シャルパンティエ」ですが、私はてっきりフランスの著名なパティシエのお名前なのだと思っていました。
ただ、確かに過去フランスに存在していた料理人の名前に由来こそすれ、「アンリ・シャルパンティエ」とは日本の洋菓子メーカーである株式会社シュゼットが展開するブランドの名前だったのです。
皆様は知ってましたか?
「アンリ」という名前に込められた意味とは?
日本の洋菓子ブランド名になった「アンリ・シャルパンティエ」さんですが、その名前には外国語学習のネタが豊富に隠されています。
まず、お名前「アンリ」の部分ですが、フランス語圏では有名な名前の1つです。フランス語で"Henri"と表記されます。
音だけ聞くとピンときませんが、つづりを見れば分かる通り、英語"Henry"「ヘンリー」やドイツ語"Heinrich"「ハインリッヒ」と同じルーツを持つ名前です。
他にも同ルーツの名前が見られます。
イタリア語 Enrico [エンリコ]
スペイン語 Enrique [エンリケ]
ポルトガル語 Henrique [エンリケ]…等。
※各言語における名前の表記は一例です。
「ヘンリー」や「アンリ」、「エンリケ」などは世界史でも登場する人物の名前です。これら名前が同じルーツだったというのも驚きですね。
さらに、この名前に込められた意味も明らかになっています。
from Old High German "Heimerich", literally "the ruler of the house,"from heim "home" (see home (n.)) + rihhi "ruler" (from PIE root *reg- "move in a straight line," with derivatives meaning "to direct in a straight line," thus "to lead, rule").
(出典:Online Etymology Dictionary)
古高ドイツ語(今から1000年以上前のドイツ語)の名前"Heimerich"に由来しており、"Heim"「家」と"rihhi"「支配者」という2つの単語から成り立っています。
日本語的に言えば、「家長、家主」といった感じでしょうか。
現代ドイツ語でも"Heim"[ハイム]は「家」を表す名詞です。日本の住宅メーカー「積水ハイム」さんの社名はドイツ語由来だったのですね。
一方、"rihhi"は形を少し変えて"reich"[ライヒ]という形容詞があります。英語"rich"に相当し、「豊かな」という意味を持ちます。
現代ドイツ語の"Heinrich"が一番原型に近いと言えるでしょうか。名前に意味を込めるのは、洋の東西を問わないのですね。
「シャルパンティエ」の意味は、「ある職業」!?
続いて、後半の「シャルパンティエ」について調べてみましょう。
フランス語で"Charpentier"とつづります。実はこれ、固有名詞ではなく元は一般名詞として意味を持つ単語なのです。
「ある職業」を表す名詞なのですが、分かりますか?
答えは「大工さん」です。
ラテン語の単語"carpentarius"[カルペンターリウス]がルーツです。
また、この単語はフランス語を経由して、英語にも伝わっています。フランス語は分からなくとも、英語"carpenter"[カーペンター]という単語ならば、聞いたことがあるのではないでしょうか?
「シャルパンティエ」さんとは、日本語に置き換えれば「大工」さん。
何と、日本にも「大工」さんという苗字をお持ちの方がいるそうです。職業に由来する苗字というのも、洋の東西を問わず存在しているのですね。
「アンリ・シャルパンティエ」さんは料理人であったとのことですが、そのルーツをたどると元は「大工」さんの家系だったのかもしれません。
作るものが家から料理へ変わり、今では日本の洋菓子メーカーのブランド名になっていると考えると面白いですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回の記事では「アンリ・シャルパンティエ」さんについて調べてみました。
人に歴史ありと言いますが、名前にも歴史あり、ですね。
外国語学習の際には、名前のような固有名詞であっても一度その意味を調べてみると面白い発見があるかもしれません。