ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
外国語学習は、言うまでもないことですが継続することが大切になってきます。
とはいえ、ツールとして参考書や単語集などの本に毎日取り組むのはなかなか大変です。
どうしても気分が乗らない日もあるでしょう。
そんな時は無理してまで本を開く必要はありません。
私たちの日常生活には、いろいろな場面で外国語に触れる機会が存在しています。
参考書や単語集などに無理してまで毎日向き合うことを課すのではなく、日常生活でふと見つけた外国語に関して少し興味を持つということだけでも、語学の継続は達成できているようなものです。
例えば、私は先日ケーキ屋さんで「エクレア」を買ったのですが、店名や商品名、ケーキを包んだ包装紙などいろいろなところに書かれたフランス語を見つけました。
せっかくならば書かれているフランス語を読みたいし、意味も知りたい!ということで、「エクレア」を食べながらのフランス語講座、始まりです。
店名「パティスリー」の意味は?
私が訪問したケーキ屋は、店名に「パティスリー」という単語を冠しています。まずは、「パティスリー」について調べてみましょう。
フランス語で"pâtisserie"とつづります。
これは、"pâtisser"[パティセ]「パン菓子などを作る、ケーキを焼く」という意味の動詞に、「~するところ」という意味を表す接尾辞"-erie"をつけることで派生した単語です。
つまり、「パン菓子などを作る、ケーキを焼くところ=ケーキ屋」といった意味ですね。
実際に、お店の奥ではスタッフの方たちがケーキ作りにいそしんでいる姿をガラス越しに見ることができます。
「エクレア」の意味と語源は?
続いて、私が購入した「エクレア」について調べてみましょう。
フランス語で"éclair"と書きます。
辞書で調べてみると、本来は「稲妻」という意味だそうです。
では、どのようにしてケーキの名前に採用されたのでしょうか?
英語版wikipediaには、「語源」の項で以下のように解説されています。
The word comes from the French éclair, meaning "flash of lightning", so named because it is eaten quickly (in a flash).
曰く、「エクレア」があっという間に食べられる点から、一瞬の稲光が連想されたということになります。
「エクレア」の本場、フランス語版wikipediaではどうでしょう?
D'après le Dictionnaire de l'Académie française, l'éclair a été nommé ainsi car il était mangé rapidement.
甘党の私としては「エクレア」に限らずたいていのケーキやお菓子はあっという間に食べてしまうのですが、稲光を連想させるくらいのイメージが「エクレア」命名当時にはあったのかもしれませんね。
包み紙のフランス語を調べてみた
さて、「エクレア」を食べ終えると、残った包み紙にフランス語が書かれていることに気づきました。
包み紙の円周に沿って、以下のように書かれています。
Prenez le précieux temps avec quelqu'un cher pour vous.
何と書かれているのか…今ではgoogle翻訳などで調べれば簡単にわかるような時代ですが、甘いものを食べてすっきりした頭で、辞書を引きながら考えてみました。
以下に文章を構成する句ごとに分けて、解説します。
1."Prenez"
まず冒頭"Prenez"は動詞不定形"prendre"の活用形で、二人称複数または敬称"vous"が主語の場合の直接法現在形の形、もしくは命令形のときの形です。
一般的な意味は「取る」です。
フランス語では、平叙文や決定疑問文では主語から書き始めます。
今回の場合、相当する主語が先頭に見当たらないので"vous"に対する命令形だと推測されます。
2."le précieux temps"
続いては"le précieux temps"という句について、これは先ほどの動詞"prenez"の直接目的語と考えられます。
定冠詞"le"のついた名詞"temps"に、形容詞"précieux"が修飾しています。
英語"the precious time"に相当する表現と言えそうです。「価値ある時間を」と訳してみましょう。
3."avec quelqu'un cher"
さて、上の1と2で動詞(命令形)+目的語による文は完成しています。
ここから以下は、前置詞による補足情報と言えそうです。
まず前置詞"avec"は、英語"with"に相当し「~と一緒に」という意味です。
余談ですが、最近はあまり聞かれなくなったものの「アベック」という男女カップルを指す言葉があります。本来の品詞は前置詞なので、フランス語にはもちろんそのような用法はありません。
話を戻しまして、"quelqu’un"は「誰か」を意味する代名詞で、形容詞"cher"「親愛な、大切な」が後ろから"quelqu’un"を修飾しています。
以上から、訳としては「大切な誰かと一緒に」がいいでしょう。
4."pour vous."
最後も前置詞から始まる句です。
"pour"は英語"for"に相当します。続く"vous"は代名詞で、二人称複数「君たち」という意味や、相手への丁寧な表現「あなた、あなたたち」という意味で使われます。
今回の文章では、表現として「あなた」の方が適切でしょう。
以上から"pour vous"は英語"for you"に相当し、意味としては「あなたにとって」となります。
5.まとめ
以上1~4を組み合わせて、包み紙の文章は以下のように訳せました。
"Prenez / le précieux temps / avec quelqu'un cher / pour vous."
「取りなさい / 価値ある時間を / 大切な誰かと一緒に / あなたにとって」
→「あなたにとって大切な人と一緒に、価値ある時間を過ごしてください」
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、エクレアを食べながら学んだフランス語について紹介しました。
日常には、いろいろな外国語があふれています。
何も本などの学習ツールに頼ることだけが外国語学習ではありません。私は、さまざまな場面で得られる外国語にちょっと触れるだけでも十分だと思っているので、今後も気負わずに楽しんで外国語学習を続けていきたいですね。