ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
以前、ドイツ語においてややこしい"Meer"と"See"の使い分けを調べました。
今回は第2弾として、ドイツ語における2つの似た単語を取り上げその違いを整理します。
ドイツ語の「壁」
辞書で「壁」という単語を調べると、2つの名詞が見つかると思います。
1.Mauer [マウアー]
2.Wand [ヴァント]
この2単語は、どのように使い分ければいいのでしょうか?
"Mauer"と"Wand"の使い分け方は?
まずは英語版wiktionaryで、それぞれの単語の意味(定義)を確認します。
1."Mauer"
“a wall, usually one made of stone or concrete”
とりわけ、石またはコンクリートでできた「壁」を指して"Mauer"が用いられると言えそうです。
2."Wand"
“wall, partition“
対する"Wand"の定義はとてもシンプルですね。
こちらの方が、より一般的な「壁」としての用法と言えるでしょう。
3.使い分け
"Mauer"と"Wand"、この単語の使い分けは英語版wiktionaryで以下のように解説されています。
The words Wand and Mauer are often but not always interchangeable. Even when they are synonymous, there is sometimes a preference for one of them:
どちらも一般的に「壁」の意味で使えるものの、特定の場面によってはある一方がより好まれる、ということが分かります。
・Wand is predominant for walls that are not made of stone, concrete, or the like. Mauer usually implies masonry.
・With stone walls, only Mauer is commonly used for freestanding ones.
・Both words are used for the walls of buildings. Wand is the normal choice, however, when one refers to them as seen from the inside (for example, a painting is typically said to hang an der Wand, "on the wall", rather than an der Mauer).
特定の場面の例として具体的には、"Mauer" は通常、石でできた自立式の「壁」というイメージでしょうか。建物の「壁」にはどちらの単語を使っても問題なさそうですが、特に内壁を指す場合は"Wand"の方が一般的なようです。
「絵が壁に掛かっている」という意味のドイツ語は、"Das Bild hängt an der Wand."という例文でよく学習書や単語集に登場しますが、"Wand"が使われていることが分かります。
ドイツ語では、主に「石壁」のイメージがある以下の固有名詞に対し"Mauer"が用いられています。
die Berliner Mauer「ベルリンの壁」
Chinesische Mauer「万里の長城(直訳:中国の壁)」
また、サッカーにおけるフリーキックの場面でゴールを阻むために選手が作る「壁」も"Mauer"が用いられるそうです。
石造りの「壁」の方が、より強固なディフェンスをイメージさせますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、ドイツ語で「壁」を意味する2つの単語"Mauer"と"Wand"について、その違いを整理しました。
日本語ではどちらも「壁」という意味ですが、ドイツ語では場面によって単語を使い分けているというのは面白いですね。
今後もこのような事例があれば、紹介していきたいと思います。