ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
早いもので今年も8月になりました。
まだまだ暑い日が続きますね。ここ数年は朝から気温30℃を超えるような日も当たり前になってきました。
水分補給と温度管理をしっかりとして、この夏も乗り切りましょう。
例年ですと8月中旬は、会社の夏季休業によりまとまった休暇を取れる時期なので海外旅行に出かけていたものですが、コロナウイルスの影響でそれもお預けです。
こんな時は、外国語に触れながら遠い異国へ思いを馳せようと思います。
「8月」の外国語
ところでこの「8月」には、語学のネタになるいろいろな情報があります。
英語では”August”[オーガスト]ですが、これはローマ時代の皇帝の名前に由来することをご存知の方も多いと思います。
その語源についてもう少し詳しく調べてみましょう。
その1.もともとは「6月」だった”August”
"Online
Etymology Dictionary"によると、以下のように解説されています。
eighth month, late 11c., from Latin Augustus (mensis), sixth month of the later Roman calendar, renamed from Sextilis (literally "sixth") in 8 B.C.E. to honor emperor Augustus Caesar, literally "Venerable Caesar" (see august (adj.), and compare Augustus). One of two months given new names to honor Roman leaders (July being the other),
今ではすっかり「8月」を指す単語として定着している”August”ですが、最初のローマ人による暦の1年は10カ月しかなく(現代の3月が最初の月)、もともとは"Sextilis"「6番目(の月)」という呼称でした。
その後、現代の1月と2月が暦に追加され1年は12ヶ月となり、順番は変わりましたが月の名前は変わらずそのままスライドしました。
英語September「9月」は、ラテン語septem「7番目(の月)」がルーツですが、名前と数字がズレているのも後から加わった1月、2月によるものだったということですね。
そうした経緯を経て「8月」となった6番目の月ですが、更にその後は皇帝を讃えるために”Augustus”「アウグストゥス(の月)」と命名され、現代に受け継がれているということになります。
その2.名前が変わっていたかもしれない「9月」と「10月」
“August”の他に、July「7月」もローマの皇帝ユリウス・カエサルの名前に由来します。
"July"もやはり、もともとは順番に従って"Quintilis"「5番目(の月)」という呼称でした。
ところで、実は"September"「9月」と"October"「10月」もローマ人による別の名称が与えられていたということが、"Online Etymology Dictionary"の解説から分かりました。
the Romans also gave new imperial names to September (Germanicus) and October (Domitian) but these did not stick.
"July"や"August"のように定着はしなかったものの、もしかしたら9月は"Germanicus"、10月は"Domitian"に由来する名称となっていたかもしれませんね。
その3.英語固有の月名があった
また"August"に置き換わる前、英語固有の「8月」を指す表現があったことも分かりました。
In England, the name replaced native Weodmonað "weed month."
("Online Etymology Dictionary"より引用)
日本語で「雑草月」というと少し聞こえは悪いですが、季節感を得やすい名前ですね。
日本にも古語で「葉月(はづき)」という呼称がありましたが、英語でも似たような表現がされていたというのは驚きです。
フランス語の「8月」は何と発音する?
ローマ人による暦や月名の制定が現代にも受け継がれているというのは、すごいことですね。
フランス語においても同様に「8月」はラテン語"Augustus"に由来しますが、現代フランス語では”août”とつづります。
フランス語の発音は、語末の子音が黙字となったり(例:"mot"[モ]等)、複数の母音で1つの音を表したり(例:"eau"[オ]等)と、つづりと音の関係に最初はとまどいます。
それにしてもこの”août”はどう発音すればよいのでしょう?
辞書によると、[ウ]もしくは子音"t"も発音し[ウト]のように2通り提示されているものもあります。
この発音を巡っては、フランス語ネイティブの間でも話題となっていたようで、過去にフランスの新聞"Le Monde"「ル・モンド紙」の電子版で取り上げられていました。
当時の記事はこちら("Le Mondeのサイトにつながります)。
それによるとフランス語ネイティブでは、大きく分けて4通りの発音が認められるそうです。
上で挙げた[ウ]および[ウト]に加え、語頭"a"も発音する[アウ]や[アウト]の4通りということですが 、[ウ]以外は古風な発音や方言的だという指摘もあり、推奨は[ウ]である、が最後の子音"t"も発音されることもあるとしています。
慣れていないと聞き逃すか聞き間違えてしまいそうですね。ちなみにフランス語では、「5月」も"mai"[メ]と一音の単語です。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「8月」に関して、語源とフランス語における発音について紹介しました。
実際に、フランス語"août"の発音を聞いてみるのもいいと思います。
"Youtube"では"TV5Monde"というフランスの放送局がアップしている動画で、"août"の語源と発音が解説されています。
まだまだフランス語に関しては未熟なので内容理解はおろか聴き取りも怪しいのですが、参考までに聞いてみようと思います。