実は接尾語!?文字"K"がしめす意味とは?

2021/08/18

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

外国語学習において語彙を増やすことは重要な要素の一つですが、その蓄積は大変根気のいる作業でもありますよね。

特に暗記作業ばかりでは、外国語学習に対するモチベーションの低下につながりかねません。

そんな状況に対し、昨今とりわけ英単語に関しては接頭語や接尾語に着目して語彙を増やす方法が見られます。


接頭語、接尾語とは?

それ自体は1つの単語とはならないながら、ある単語の前や後にくっつくことで特定の意味を生み出したり、新しい品詞の単語を作ったりする機能を持つのが「接頭語」または「接尾語」です。

名前からも明らかなとおり、ある単語の前につくのが「接頭語」、後につくのが「接尾語」ですね。

イメージとしては、漢字の「偏」のようなものでしょうか。

例えば「さんずい」は、池・海・浜・・・等の漢字に見られるように水に関する意味を添える偏といえます。

英語などの言語では、そうした意味を添える機能を備えたものが「接頭語」や「接尾語」です。


英語の接頭語、接尾語の例

今回は英語にフォーカスを当てて、「接頭語」および「接尾語」を見てみたいと思います。

接頭語の例

※()内は、各接頭語が持つニュアンスを示します。

 co-(「共に」):collaborate「協力する」、company「会社」など

 re-(「再び」):reconfirm「再確認する」、repeat「繰り返す」など

 un-(「否定」):unable「できない」、uncertain「不確かな」など

 

接尾語の例

※()内は、各接尾語が持つニュアンスを示します。

-fy(「動詞をつくる」):certify「証明する」、justify「正当化する」など

-ion(「名詞をつくる」):action「行為」、certification「証明」など


今回取り上げるのはあくまで一例であり、他にも様々な「接頭語」や「接尾語」があります。

昨今は接頭語、接尾語をまとめた学習書やサイトもあり、それらを眺めるだけでも単語の持つイメージを固めたり、語彙を増やしたりするのに役立ちます。

また、上の例”co-””-ion”はラテン語にルーツがありますが、こうした接頭語や接尾語は英語に限らず他の外国語でも見られます。

外国語学習の際には語彙を効率的に増やすツールとして、ぜひ活用したいですね。


実は「接尾語」だった"K"

今回、接頭語や接尾語を調べていく中で面白い発見がありました。

何と"K"が「接尾語」だというのです。

接尾語の形は上の例のようにいろいろあれど、子音一字でというのは意外ですね。

どういうことでしょう?

そもそもの発見は、基本的な英単語"talk"について調べているときでした。

“Online Etymology Dictionary”において、"talk"の語源は以下のように解説されています。

c. 1200, talken, probably a diminutive or frequentative form related to Middle English tale "story," and ultimately from the same source as tale (q.v.), with rare English formative -k (compare hark from hear, stalk from steal, smirk from smile) and replacing that word as a verb.

それによりますと、「恐らく」とはしながらも"tale"「物語」の縮小形か反復形とあります。

「ちょっとした話、繰り返しの話」といったニュアンスでしょうか。

また比較として"harkstalksmirk"という単語も挙げられています。


接尾語"K"の機能とは?

"harkstalksmirk"についても調べました。

それぞれの単語の意味および語源を“Online Etymology Dictionary”で確認してみます。

"hark"「聞く」

c. 1200, from Old English *heorcian "to hearken, listen," perhaps an intensive form from base of hieran (see hear). Compare talk/tale.

"stalk"「忍び寄る」

"pursue stealthily," Old English -stealcian, as in bestealcian "to steal along, walk warily," from Proto-Germanic *stalkon, frequentative of PIE *stel-, possibly a variant of *ster- (3) "to rob, steal" (see steal (v.)). Compare hark/hear, talk/tell).

"smirk"「にやにや笑う」

Old English smearcian "to smile." No exact cognates in other languages, but probably related to smerian "to laugh at, scorn," from Proto-Germanic *smer-, *smar-, variant of PIE *smei- "to smile;" see smile (v.),

この3単語の内、"hark"については"hear"「聞く」の強意形と解説されています。

残りの単語についても"steal"「盗む」から"stalk"、"smile"「笑う」から"smirk"という成り立ちから、縮小・反復や強意のイメージが合うように思われます。

また、英語版wiktionaryにて、接尾語"K"が一項目として記載されていました。それによると以下のように定義されています。

A suffix found in words of Middle English, Old English, usually with an intensive or frequentative effect.

古英語や中英語期に見られる形ということで、現代英語ではあまり頻度の高い接尾語では無いということですね。

とはいえ、接尾語"K"は縮小・反復や強意の意味を添える機能があることが分かりました。


接尾語"K"のルーツとは?

この子音一字の接尾語は何に由来するのでしょうか?

英語版wiktionaryの語源の項に解説が見つかりました。

From Middle English -ken, -kien, from Old English -cian, from Proto-West Germanic *-kōn, from Proto-Germanic *-kōną. Cognate with West Frisian -kje, German -chen, Danish -ke, Swedish -ka. Perhaps related to Old English diminutive suffix -uc, -oc. More at -ock.

今でこそ子音一字となっていますが、元は中英語"-ken-kien"や古英語"-cian"に由来するようですね。

また関連としてドイツ語の接尾語"-chen"が挙げられています。

ドイツ語の"-chen"は現代でも使用される接尾語です。元の単語の縮小形を作ります。

例えば、"Brot"「パン」から"Brötchen"「小さなパン」、"Magd"「女性」から"Mädchen"「少女」といった具合です。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語の「接尾語」について紹介しました。

語彙を増やすには根気がいりますが、接頭語や接尾語に着目して効率的にその数を増やしていきたいですね。

また、今回の接尾語"K"は基本単語"talk"を調べていたことから発見できました。

簡単かつ誰もが知っている単語であっても、振り返って調べてみることで新しい発見ができるかもしれませんね。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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