ドイツ語"Fahne"と"Flagge"の違いについて調べてみた!

2021/09/22

ドイツ語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

先日、家の片づけをしていたところ、以前買った国旗のレプリカがたくさん出てきました。

長さ20㎝ほどのプラスチック棒にドイツやフランス、イタリアなどの国旗がくっついているのですが、最近ものを握ったり掴んだりができるようになった息子が色とりどりの国旗に魅了されてか、それら国旗を振っては遊んでいます。

ところで、「旗」という日本語には対応するドイツ語が2つあるのをご存じですか?

今回は、ドイツ語で「旗」を意味する2つの単語についてその違いを調べてみました。


「旗」は"Fahne"? それとも"Flagge"?

日本語の「旗」に該当するドイツ語は以下の2つがあります。

 1.Fahne [ファーネ]

 2.Flagge [フラッゲ]

Google画像検索でそれぞれの単語を検索すると、どちらも国旗の画像が結果に出てきます。

また、ドイツ語辞典を提供しているDWDSにおいても、この2つはSynonime「同義語」として収録されています。

英語で「旗」は"flag"であることから、一見すると"Flagge"の方が我々にはより覚えやすいかもしれませんが、両者の違いは何でしょうか?

DWDS-Wörterbuchでそれぞれの単語の意味を調べてみました。

1."Fahne"の意味

einfarbiges oder mehrfarbiges, oft mit Sinnbildern gekennzeichnetes, symbolhaftes Tuch, das an einer Stange befestigt ist

訳:単色または多色の、しばしば記号があしらわれた象徴的な布で、ポールに取り付けられているもの

(出典:https://www.dwds.de/wb/Fahne

2."Flagge"の意味

als Hoheitszeichen oder Ehrenzeichen verwendete Fahne, die mit einer Leine an einem Flaggenmast gehisst wird und besonders zur Kennzeichnung der Nationalität eines Schiffes und als Verständigungsmittel im Seewesen dient

訳:権威または栄誉の象徴として使用される旗。マストに紐で掲揚され、特に船の国籍の識別や海事関係のコミュニケーション手段として用いられる。

(出典:https://www.dwds.de/wb/Flagge

"Flagge"の意味を解説した文中に"Fahne"という単語が見られることからも、両者が同義である関係性が伺えます。

ただその用途に関しては、"Fahne"よりも"Flagge"の方が具体的に記述されています。

以上から一般的な「旗」の用法としては"Fahne"であるものの、船などに見られる「旗」は特に"Flagge"と表現するということでしょうか。


専門サイトによる解説で更に詳しく!

もう少し調べてみると、ドイツで「旗」を製造販売する会社Fahnen Kössingerにより、2つの単語の歴史および使い分けが詳述された記事が見つかりました。

その記事によると以下が"Fahne"と"Flagge"を分けるポイントだと解説されています。

 ・身に着けるものが"Fahne"、高く掲げられるものが"Flagge"

 ・"Fahne"は、基本的に上質な布地に細かな刺繍や金の細工が施された精巧な作品。

 ・"Flagge"は、モチーフが込められたもの(例:国旗、海賊の旗(黒地に骸骨)など)。

(出典:https://www.fahnen-koessinger.de/aktuelles/blog/fahne-oder-flagge.html

この会社のHPのトップページで表示される製品"Fahne"の画像を見れば、よりイメージしやすいかと思います。

Fahnen Kössinger社は名前に"Fahne"が含まれていますが、HPを見るに細かな装飾を施した「旗」を作り上げている会社と思われます。だからこそ、"Flagge"を社名に冠していないということですね。

ただ、"Fahne"と"Flagge"の違いは日常的には意識されなくなっているようです。また、地域によって、一般的に用いられる単語が異なるという興味深い情報も得られました。

Im Süden Deutschlands, weit weg vom Meer, wird eher von Fahnen als von Flaggen gesprochen, im Norden ist es anders. In der Schweiz, die noch nie über Kriegsschiffe verfügt hat, ist das Wort Flagge bis heute nicht angekommen.

(出典:https://www.fahnen-koessinger.de/aktuelles/blog/fahne-oder-flagge.html

"Flagge"は海事関係に由来するということもあり、海から遠く離れた南ドイツでは"Fahne"の方が一般的で、北ドイツでは逆に"Flagge"が一般的だということです。

また、同じドイツ語圏であるスイスにおいては、軍艦を持たない為そもそも"Flagge"という単語自体がもたらされていないことが書かれています。

日本においても東日本と西日本でモノの呼び名が違うという例はありますが、ドイツ(およびスイス)においても同様の地域差があるのは面白いですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回はドイツ語で「旗」を意味する同義語"Fahne"および"Flagge"について、その違いを調べてみました。

結果、由来や素材、用途に関した違いがあることは分かりましたが、一般的にはどちらを使っても問題なさそうですね。

また、同じドイツ語圏でも北ドイツと南ドイツ、スイスで一般的に用いられる単語が異なるというのも興味深い発見でした。

今後、ドイツ語圏を訪れる際には当地で「旗」を何と表現しているか、注意して観察してみたいと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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