英語trafficのルーツは?語源を元に解説します!

2021/09/03

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

英語とドイツ語は、言語の分類上で西ゲルマン語群というグループに属すると見なされています。

同じグループである事から、語彙や文法面で類似する点がよく見られます。

そもそも私が英語に次いでドイツ語を勉強しようと思ったのは、あるドイツ語の単語を見つけたことがきっかけでした。

その単語とは、"Finger"「指」です。英語とつづりが同じで、発音もほぼ同じというこの単語を見て私のドイツ語に対する興味は一気に高まったのです。

今回の記事では、英語とドイツ語を比較してみて学ぶことができた事例を紹介します。


英語"traffic"の語源とは?

英語"traffic"という単語があります。意味は「交通」ですね。

私はラジオをよく聞くのですがTraffic Information「交通情報」が流れているように、日常的にも耳にする機会の多い単語です。

この単語のルーツは何でしょうか?

私はドイツ語を学び始めた際にある単語を覚え、それが英語"traffic"と同じルーツの単語ではないかと思っていました。

その単語とはドイツ語の動詞"treffen"です。

"treffen"は不定形です。動詞の三基本形は"treffen-traf-getroffen"となります。

「(人に)会う」という意味で覚えました。

つづりが似ていること、意味が「会う」から「交通」に発展するのも頷けることから語源が同じだと考えていたのです。

ところが英語"traffic"の語源を調べてみると、全く違うことが分かりました。

Online Etymology Dictionaryでは以下のように解説されています

c. 1500, "trade, commerce," from  French trafique (15c.), from Italian traffico (14c.), from trafficare "carry on trade," of uncertain origin, perhaps from a Vulgar Latin *transfricare "to rub across," from Latin trans "across" (see trans-) + fricare "to rub" (see friction), with the original sense of the Italian verb being "touch repeatedly, handle."

残念ながら(?)ゲルマン系のルーツではなく、ラテン語に端を発しフランス語を経由し英語にもたらされたようです。

語の成り立ちも"trans"という接頭語と「こする」という意味の"fricare"が合わさってできていることが分かりました。


ドイツ語"treffen"の語源とは?

ではドイツ語"treffen"はどのようなルーツを持つのでしょうか。

DWDSEtymologisches Wörterbuchによると、以下のように解説されています。

treffen Vb. ‘(mit einem Wurf, Schlag, Schuß) das Ziel erreichen, mit jmdm. zusammenkommen, jmdm. (zufällig) begegnen’, reflexiv unpersönlich ‘sich in bestimmter Weise fügen, in bestimmter Weise geschehen’, ahd. treffan (8. Jh.), mhd. treffen ‘(ein Ziel) erreichen, berühren, an-, betreffen, feindlich zusammentreffen, kämpfen’, asächs. drepan, mnd. drēpen, drāpen, mnl. drēpen ‘schlagen, treffen, berühren’ (nl. treffen aus dem Hd.), aengl. drepan ‘treffen, schlagen, töten, besiegen’, anord. drepa ‘schlagen, stoßen, töten’, schwed. dräpa ‘totschlagen’ führen auf germ. *drepan ‘schlagen’; sichere außergerm. Verwandte finden sich nicht.

ルーツに"drepan"という語が見られますが、その意味は「打つ、殺す」といったように穏やかではない原義ですね。

また今回、改めて"treffen"について辞書で調べたところ「会う」という意味の他に、「命中する/させる」、「・・・に打撃を与える」という意味もあることが分かりましたが、原義を知れば納得できます。

以上から、英"traffic"と独"treffen"には関連性が無いことが明らかになりました。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語"traffic"のルーツについて調べてみました。

英語とドイツ語は同じルーツであるという先入観から、見た目で似た単語に関連があるのでは?と考えましたが、今回は無関係だったということが分かりました。

ただ、このように言語間で比較してみることで新たな発見や語彙を広げることは十分可能だと思うので、今後もいろいろな面から単語を見ていくことができればと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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