英語"garden"と"yard"の関係とは!?語源を元に解明します!

2021/10/15

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

最近は歩けるようになった息子を連れて、散歩に出かけることが増えました。

少し前まで昼間の暑さは本当に応えましたが、10月も半ばに近づいてようやく過ごしやすい気候になってきたなと感じています。

近所には児童公園あり、電車に乗って少し足を延ばせばもっと大きな公園や「庭園」と名のついた芝が整えられたところもあり、私の住んでいるところは散歩の場所に事欠きません。

ところで、この「庭園」を英語では何と表現するでしょう?

まず思いつくのは"garden"でしょうか。もう少し考えてみると"yard"という単語も挙げられます。

その意味はどちらも「庭、庭園」というイメージですが、実際のところ違いはあるのでしょうか。今回は、"garden"と"yard"について調べてみたいと思います。


"garden"と"yard"、それぞれの意味は?

まずはそれぞれの単語の意味を調べてみましょう。

Wiktionaryによると、以下の定義が挙げられています。

1.gardenの意味

An outdoor area containing one or more types of plants, usually plants grown for food or ornamental purposes.

対訳:1つまたは複数の種類の、通常は食用か観賞用に栽培された植物を含む屋外のエリア。

2.yardの意味

A small, usually uncultivated area adjoining or (now especially) within the precincts of a house or other building.

対訳:家や建物の敷地内または隣接する(現在は特に)小さな、通常は手入れされていないエリア。

"garden"は植物が植えられるなど手入れがされている一方、"yard"は特に手入れのされていない「庭」を指すようですね。

考えてみれば、家庭菜園のことは"gardening"「ガーデニング」と表現され、"yard"という単語は使われませんね。


それぞれのルーツ(語源)は?

「庭」といえども"garden"と"yard"ではイメージが異なることが分かりました。

ただ、両単語は少し形が似ています。関連性はあるのでしょうか?

この関連性を考える際に、興味深い例があります。

それは英語の"y-"で始まる単語が、ドイツ語では"g-"から始まる場合があるという例です。以下の単語をご覧下さい。

例)「あくびをする」という意味の動詞

 英語   yawn [ヨーン]

ドイツ語 gähnen [ゲーネン]

このことからも"garden"と"yard"には関連性があるのではないか?と思い、Online etymology dictionaryで調べてみると…やはりそれぞれの項目で同じルーツが挙げられていました。

以下にそれぞれの語源に関する解説を和訳し、要約した内容を記載します。

gardenyardの語源はどちらも)、印欧祖語で「囲う」という意味の*gher-の接尾辞形*ghorto-に由来するゲルマン祖語*gardan-から、

(参照:Online etymology dictionary gardenyardの各項)

では、同じ由来の単語がどのようにして現代英語の"garden"と"yard"に至ったのでしょう?

"garden"の語源には以下の解説があります。

late 13c. (late 12c. in surnames), from Old North French gardin "(kitchen) garden; orchard; palace grounds"

対訳:13世紀後半(12世紀後半には姓で)、古北フランス語gardin「(家庭)菜園、果樹園、宮殿の敷地」

出典:Online etymology dictionary

現代英語"garden"は、"yard"と語源は同じでありながらフランス語を経由して英語に入ってきたようです。

対して、現代英語"yard"の方は古英語"geard"という形からの変化だとされています(Online etymology dictionary)。


"garden"と"yard"の使い分け、ルーツの違いまとめ

これまでの内容をまとめると、以下のようになります。

1.使い分けの違い

 garden…植物の栽培など手入れのされた「庭」

 yard  …特に手入れのされていない「庭」

2.ルーツの違い

どちらもゲルマン祖語*gardan-に由来し、その後

 garden…古北フランス語"gardin"を経由して英語に。

 yard  …古英語"geard"が変化して、現代英語の形に。

もとは同じ語源だった単語が異なるルートで英語にもたらされ、更には現代英語で共存しているというのは面白いですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英単語"garden"と"yard"について調べてみました。

一般にイメージする「庭」という同じ意味を持ち、その形も似ている2つの単語は、ルーツを辿ってみるとやはり同源であったということが分かりました。

今までの私の認識では、似た単語はどちらかが駆逐されてしまうと考えていたのですが、今回のようにどちらも現代に残っている例もあるというのは新しい発見でした。

今後も、ルーツを調べることで得られた発見があれば紹介していきたいと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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