Capriccioの語源とは?「気まぐれに」学ぶ外国語

2022/01/12

イタリア語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

2022年が始まって既に1月半ばに差し掛かる週ですが、今年も外国語学習に満ちた1年にしていくことができればと思います。

また、学習の中で得た発見や気づきは引き続き当ブログにて紹介していきたいと思います。

先日の年末年始のまとまったお休みでは、相変わらずいろいろな外国語に触れていました。

今回の記事では、「気まぐれに」調べたある単語の内容について紹介したいと思います。


音楽用語"Capriccio"「カプリチオ」とは?

突然ですが、私が外国語学習に取り組む際に欠かせないのがBGMです。ジャズやクラシックなど、落ち着ける曲を掛けることが多いです。

クラシックには時代や地域によって様々な形式がありますが、その中の1つに"Capriccio"「カプリチオ」というものがあります。

日本語では奇想曲や狂騒曲と訳され、形式に縛られない例外的で気まぐれな性格を表している形式だそうです(参照:wikipedia「奇想曲」)。

この"Capriccio"「カプリチオ」はイタリア語です。音楽関係の用語は、イタリア語にルーツのある単語が多いですね。

もともとは「気まぐれ」を意味する一般名詞です。

英語にも取り入れられましたが、当初は「気まぐれ」を意味していたのが上で述べたような音楽の一形式を意味するようになりました。

1690s as a term in music for a kind of free composition, from Italian capriccio "sudden start or motion" (see caprice). Earlier it meant "a prank, a trick" (1660s); "a caprice" (c. 1600).

対訳:1690年代に一種の自由な作曲を表す音楽用語として、イタリア語capriccio「突然の始まり、動き」(capriceを参照)から。以前は「いたずら、悪ふざけ」(1660年代)、「気まぐれ」(1600年代)を意味していた。

(出典:Online etymology dictionary


"Capriccio"の語源とは?

さて、「気まぐれ」を意味する"capriccio"の語源は何でしょう?

私の予想では、動物の「ヤギ」が関係するのではないか?と考えています。

というのも、イタリア語で「ヤギ」は"capra" [カープラ]と言うからです。

実際はどうでしょうか?

現代英語の"caprice"「気まぐれ」という単語から、Online etymology dictionaryで語源を調べたところ以下2つの説が分かりました。


1.「ヤギ」に由来する説

it is from capro "goat," with reference to frisking

対訳:capro「ヤギ」に由来、飛び跳ねる動作に関連して

(出典:Online etymology dictionary

私の推測が早速登場しました。まるで気まぐれに飛び跳ねる姿が由来という説です。

2.「髪の毛」に由来する説

or that the Italian word is connected with capo "head" + riccio "curl, frizzled," literally "hedgehog" (from Latin ericius). The notion in this case would be of the hair standing on end, hence the person shivering in fear.

対訳:またはイタリア語でcapo「頭」とriccio「カールした、縮れた、ハリネズミ(ラテン語ericiusから)」の結合語。髪の毛が逆立って恐怖に震えている状態からと思われる。

(出典:Online etymology dictionary

2つ目の説は「髪の毛」に関係するというものです。

そもそも"caprice"「気まぐれ」は本来、「震え」を意味する単語だったようです。

from Italian capriccio "whim," originally "a shivering," a word of uncertain origin.

(出典:online etymology dictionary

震える動作→突然の動き、心代わり→気まぐれというように変化したのかもしれませんね。


江崎グリコ「カプリコ」の由来とは?

"capriccio"「気まぐれ」の語源は分かりましたが、もう少し気になったことを調べてみました。

音が似ている「カプリコ」の由来についてです。

ご存知の通り「カプリコ」は江崎グリコから販売されているチョコレートスナックです。

その発売年は1970年とのことで、ロングセラー商品の1つですね。

この「カプリコ」は気まぐれと関係あるのでしょうか?

江崎グリコのHPで名前の由来が以下のように紹介されていました。

商品のイメージの「カプリと食べる」「イタリアのカプリ島の明るさ・楽しさ」をイメージ付けしたものです

(参照:https://www.glico.com/jp/customer/qa/2797/

カプリ島は「青の洞窟」で有名なイタリア南部の島です。

印象に残りやすい名前は、ロングセラー商品たる所以ですね。


レストラン「カプリチョーザ」の由来とは?

イタリアンレストランの1つ「カプリチョーザ」もまた、"capriccio"と関係がありそうな名前ですね。

同店のHPで名前の由来が以下のように紹介されていました。

カプリチョーザとはイタリア語で気まぐれという言葉の意味。

(参照:htps://www.capricciosa.com/about/

イタリア料理を提供するお店らしく、やはりイタリア語に由来していました。

ローマ字表記"capricciosa"は、名詞"capriccio"から派生した形容詞形です。更に補足すると、"capricciosa"は女性形で(女性名詞を修飾する形)、男性形は"capriccioso" [カプリチョーゾ]となります。

女性形であるのは、イタリア語"trattoria" [トラットリア]「レストラン」や"taverna" [タヴェルナ]「食堂」が女性名詞であるから、もしくは音の響きからなのかもしれません。

ちなみに英語版wiktionaryで"capricciosa"を調べてみると形容詞の他に、名詞の用法も載っていました。

a pizza garnished with mushrooms, artichokes, ham and olives / a rich salad of mixed vegetables, often dressed with mayonnaise

対訳:きのこ、アーティチョーク、ハム、オリーブを添えたピザ / ミックス野菜の濃厚なサラダ、しばしばマヨネーズを掛ける

(出典:en.wiktionary


最後に

いかがでしたでしょうか?今回は「気まぐれ」を意味する単語を調べ、また関連していそうな巷の言葉にも視野を広げ、まさに「気まぐれに」言葉について考えてみました。

いろいろな言語を学んでいると、つづりや音などから他の言語との関連性があるのでは?ということが気になって、ついつい横道に逸れてしまいます。

あまり横道に逸れてばかりいると本来の学習から遠のいてしまいますが、たまの気分転換で面白い発見があれば今後も紹介していきたいと思います。

Translate

このブログを検索

プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

お問合せフォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ