ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
過去にも当ブログで取り上げているように、接辞について知っておくと語彙を増やすときの助けになると思います。
接辞は特に、元の単語の先頭につくものを接頭辞、お尻につくものを接尾辞と言います。
接辞によって派生する単語は基本的に元の単語の意味に関連があるものですが、中には元の単語からかけ離れている例もあります。
今回はそんな例の一つ"Gorgeous"という単語を取り上げて、意味や語源について考えてみたいと思います。
"Gorgeous"の意味、由来とは?
今回の単語"gorgeous"は、カタカナ表記「ゴージャス」で日常的にも使われています。
その意味は「豪華な、立派な、素敵な」という形容詞です。
この単語は、そのつづりから接尾辞"-ous"により派生した単語と思われます。
"gorgeous" = "gorge" + "-ous"
接尾辞"-ous"は「~の多い、~性の」等の意味を与えます。
例えば、名詞"glory"「栄光」→形容詞"glorious"「栄光に満ちた = 輝かしい」等です。
以上のことから、形容詞"gorgeous"は名詞"gorge"に由来すると思われます。
"Gorge"の意味とは?
では、今度は名詞"gorge"の意味を調べてみましょう。
すると、以下の意味が見つかります。
名詞1.渓谷、2.(川・通路などをふさぐ)集積物、3.のど
(参照:https://ejje.weblio.jp/content/gorge)
「渓谷」や「のど」に接尾辞"-ous"がついて「豪華な、立派な」という意味の形容詞になるというのはよく分かりません。
一体、どういうことでしょうか?
"Gorgeous"の語源とは?
そこで、"gorgeous"の語源を尋ねてみたいと思います。
Online
etymology dictionaryでは、以下の通り解説されています。
from French gorgias "elegant, fashionable," a word of unknown origin; perhaps a special use of gorgias "necklace"(中略), from Old French gorge "throat," also "something adorning the throat"
対訳:フランス語gorgias「エレガントな、ファッショナブルな」から、起源不詳の単語だが恐らく「ネックレス」を意味するgorgiasの特別な用法から(中略)、古フランス語gorge「のど」または「のどを飾るもの」に由来
(出典:Online
etymology dictionary)
これによると、"gorgeous"は"gorge"にルーツがあるとみて間違いなさそうです。
本来は「のど」を意味していた古フランス語から派生したフランス語"gorgias"が「のど元を飾るもの」=「ネックレス」を指す特別な用法を経て、現在の"gorgeous"の意味に落ち着いたものと思われます。
一方で名詞"gorge"もまた英語に取り入れられ、上で示したように「渓谷」や「のど」の意味で残っているということでしょう。
"Gorge"の語源とは?
参考に名詞"gorge"の語源も確認しておきましょう。
from Old French gorge "throat; a narrow passage" (12c.), from Late Latin gurges "gullet, throat, jaws," also "gulf, whirlpool," (中略)Transferred sense of "deep, narrow valley" was in Old French.
対訳:古フランス語gorge「のど、狭い通路」(12世紀)から、後期ラテン語gurges「食道、のど、あご」または「湾、うず」に由来、(中略)「深く、狭い谷」への意味の変化は古フランス語の時代
(出典:Online
etymology dictionary)
元は「のど」を表していた単語が、「狭い通路」を経て深く、狭い谷=「渓谷」へと変化したということでしょう。
現代英語では「のど」は"throat"という単語があることから、"gorge"は「渓谷」という意味で残ったと言えそうです。
"Gorgeous"の接尾辞"-ous"について
名詞"gorge"「のど」から形容詞"gorgeous"「豪華な」の派生は意味上でつながりが無いように思われましたが、調べた結果「のど元の飾り」から発展したものだというのが分かりました。
ただ、"gorgeous"の接尾辞"-ous"は、"glorious"などの形とは成り立ちが異なるように感じます。
そもそも接尾辞"-ous"を遡ると、ラテン語での接尾辞"-osus"に由来します。
現代英語"glorious"は、ラテン語"gloriosus"に由来し古フランス語を経由してもたらされた形です。
今回の"gorgeous"はルーツがフランス語"gorgias"であり、その由来のラテン語にも"-osus"という接尾辞を持った形は見当たりませんでした。
ということは、"gorgeous"という単語の形はルーツの"gorgias"の音(「ゴルジアス」のように発音?)に着想を得て、似た音の接尾辞"-ous"をつづりとして与えられたのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、"gorgeous"という単語について調べてみました。
元の形"gorge"「のど」の意味の変化や特別な用法が影響し現代英語"gorgeous"の意味につながっているのかもしれないと思うと、いかに言語が歴史の中でいろいろな変化や進化を遂げてきたかが感じられとても興味深かったです。
語彙を増やす際には接尾辞や接頭辞を取って元の形にも着目してみると、新たな発見があるかもしれません。
今後も面白い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。