ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
突然ですが、誰かを愛したり信じたり、反対に誰かから愛されたり信じられたりするのはやはり良いものです。
今回は「愛する」「信じる」に相当するそれぞれの英語"love"と"believe"について調べました。
"love"と"believe"の関係とは?
この2つの単語ですが、"believe"の方を頭の"be-"を取ってみると、"love"と"(be)lieve"で似ているなと感じました。
意味も「愛する」と「信じる」で何となくですが関連性が伺えます。
そこで語源から、両者の関係を調べてみました。
1."love"の語源とは?
Online
etymology dictionaryでは以下の通り解説されています。
from Proto-Germanic *lubo(中略)The Germanic words are from PIE root *leubh- "to care, desire, love."
対訳:ゲルマン祖語*luboから。(中略)ゲルマン語派の単語は印欧祖語の語根*leubh-「心配する、望む、愛する」に由来。
(出典:Online
etymology dictionary)
基礎的な単語ですが、ルーツもシンプルな印象があります。
2."believe"の語源とは?
では、"believe"の語源はどうでしょうか。
Old English belyfan "to have faith or confidence" (in a person), earlier geleafa (Mercian), gelefa (Northumbrian), gelyfan (West Saxon), from Proto-Germanic *ga-laubjan "to believe,"(中略)ultimately a compound based on PIE root *leubh- "to care, desire, love"
対訳:古英語belyfan「(人への)信仰、信頼」、それ以前はgeleafa(マーシア方言)、gelefa(ノーサンブリア方言)、gelyfan(西サクソン語)、ゲルマン祖語*ga-laubjan「信じる」に由来、(中略)根源的には印欧祖語の語根*leubh-「心配する、望む、愛する」に基づく複合形。
(出典:Online
etymology dictionary)
ルーツは思った通り、"love"と同じく印欧祖語の語根*leubh-に基づくようです。
複合形というのは、頭についた*ga-と語根の組み合わせを指しているのだと思います。
ただ、古い方言群では*ga-に由来する"ge-"を頭につけているのに対し、古英語の時代には"belyfan"と、"be-"の形になっています。
この頭の"ge-(be-)"について、もう少し調べてみましょう。
英語において"ge-"から"be-"へと変化した?
Online
etymology dictionaryにおいえ、動詞"believe"の名詞形"belief"の項で解説が見つかりました。
from intensive prefix *ga- + PIE root *leubh- "to care, desire, love." The prefix was altered on analogy of the verb believe.
対訳:強意の接頭辞*ga-と印欧祖語の語根*leubh-「心配する、望む、愛する」の形から。接頭辞の変化は動詞形believeからの類推による。
(出典:Online
etymology dictionary)
接頭辞*ga-は強意を意味するとあります。
ということは「愛する」という行為を更に強めたのが、「信じる」ということになります。
接頭辞の変化は動詞"believe"の影響からとのことでそれ以上の詳細は伺えませんが、古英語には元々"be-"「およそ、周りに、完全に・・・」という接頭辞の存在が確認できますので、その影響を受けて"be-"に変化したのではないでしょうか。
ちなみに、ゲルマン祖語*ga-laubjan「信じる」に由来する他の言語では子音"g-"が保たれています。
オランダ語 geloven [ヘローヴェン]
ドイツ語 glauben [グラウベン]
英語 believe [ビリーヴ]
オランダ語やドイツ語と異なり現代英語では接頭辞"ge-"は残っておらず、消滅するか"a-"や"y-"などに変化しているようです。
先頭の"ge-"の音は、英語では好まれなかったのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は"love"と"believe"という2つの単語を比べてみました。
ルーツは同じであり、また"love"の強意形が"believe"という考えが根底にあったことが伺えました。