ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
語学を長く楽しみながら継続していくためには、雑学の類をかじっていても損は無いと思います。
今回は、タイトルの通り「豚」にルーツを持つ単語について調べて紹介します。
ヤマアラシの語源とは…?
ヤマアラシは体が針で覆われた哺乳動物です。
英語では"porcupine" [ポーキュパイン]と表現しますが、よく見るとこの単語の中に"porc-"というつづりが隠れており、これが「豚」(英語"pork")に由来するというのです。
Online
etymology dictionaryによると以下の通り解説されています。
c. 1400, porke despyne, from Old French porc-espin (early 13c., Modern French porc-épic), literally "spine hog," from Latin porcus "hog" (from PIE root *porko- "young pig") + spina "thorn, spine"
対訳:1400年頃、porke despyne、古フランス語porc-espin(13世紀初め、現代フランス語では porc-épic)から、原義は「針の豚」、ラテン語porcus「豚」(印欧祖語の語根*porko-「若い豚」)+spina「棘、針」の複合形に由来。
(出典:Online
etymology dictionary)
ヤマアラシの見た目が豚に似ていたからでしょうか。
更に"porcupine"「ヤマアラシ」の名を冠する魚も存在します。
それが"porcupine
fish"です。
「ヤマアラシの魚」とは一体何者でしょうか?
答えは「ハリセンボン」です。
ハリセンボンもまた、名前の通り体にたくさんの針があります。
針の豚がルーツのヤマアラシのように体に針を持つ魚だから、"porcupine
fish"になったということですね。
磁器と豚の関係とは?
他にも「豚」が関係している英単語があります。
続いて紹介するのは、「磁器」を意味する英語"porcelain" [ポースリン]です。
この単語もやはり前半部分に"porc-"というつづりが見つかります。
しかし「豚」とは似つかない「磁器」に、どうして"porc-"というつづりが含まれているのでしょうか。
早速Online etymology dictionaryでそのルーツを紐解いてみましょう。
1530s, from French porcelaine and directly from Italian porcellana "porcelain" (13c.), literally "cowrie shell;" the chinaware being so called from resemblance of its lustrous transparency to the shiny surface of the shells.
対訳:1530年代、フランス語porcelaine経由または直接イタリア語porcellana「磁器」(13世紀)から、原義は「タカラガイの貝殻」で磁器という意味は光沢のある透明感が貝殻の表面に似ていることから呼ばれるようになった。
(出典:Online
etymology dictionary)
Google画像検索で"cowry
shell"と検索してみましょう。白色の光沢ある貝殻の画像が結果に上がってきます。
ところで「磁器」の由来になったイタリア語"porcellana"は「貝殻」が原義だとあります。
では、「豚」はこの語に関しては無関係なのでしょうか?
実は更にさかのぼるとちゃんと「豚」に関係していることが伺えます。
The shell's name in Italian is from porcella "young sow," fem. of Latin porcellus "young pig,"
対訳:イタリア語における貝殻の名前porcellaは「若い豚」を意味するラテン語porcellusの女性形に由来します。
(出典:Online
etymology dictionary)
貝殻の名前が「豚」に由来していたというのです。
ちなみに余談ですが、英語では「豚」の雄と雌で違う単語が用いられています。"pig"は一般的に「豚、子豚」を指しますが、特に雌の「豚」を指す場合は"sow"という単語があります。
"Porcella"「若い豚」が貝殻を指すようになった理由とは?
ではなぜ「若い豚」を意味した単語が貝殻の名前になったのでしょうか?
Online
etymology dictionaryによれば2つの説が紹介されています。
According to an old theory, the connection of the shell and the pig is a perceived resemblance of the shell (also Venus shell) opening to the exposed outer genitalia of pigs.
対訳:古い説によればタカラガイ(およびヴィーナス・クラム)の貝殻の開口部が豚の外性器と似ていると考えられたことと関係しています。
(出典:Online
etymology dictionary)
他には以下の説もあります。
For a different answer, Century Dictionary (1897) writes that the shell was "so called because the shape of the upper surface resembles the curve of a pig's back."
対訳:違う説はCenturyu Dictionary(1897年)によれば貝殻上部の表面が豚の背中の曲線と似ていることからそう呼ばれるようになりました。
(出典:Online
etymology dictionary)
貝殻に豚のパーツの見た目を関連付けるというのは、それだけ「豚」が当時の人々にとって身近な存在だったということでしょうか。
とはいえ「若い豚」という単語が貝殻の名前に転じ、更には「磁器」の意味にまで発展するとは昔の人も流石に想像していなかったでしょうね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「豚」にまつわる英単語について調べてみました。
個人的には「磁器」を意味する"porcelain"の由来に驚きました。
そもそもつづりに"porc-"が含まれていることも語源を知らなければ意識の向きようがないかもしれませんね。
他にも意外な動物が隠れた英単語があるかもしれません。今後も同様の発見があれば当ブログで取り上げていきたいと思います。