「持ち上げる」だけでは無い!?英語"lift"の様々な意味とは?

2022/09/12

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

昨今は同じ製品が年内に何度も値上げを行うことが珍しくなくなってきました。

これまで値上げというのは4月や10月といった半期ごとのイメージがありましたが、今年はそれ以外のタイミングでも様々な業界の製品で値上げ報道がありました。

私の働く業界でも引き続き仕入先からの値上げは待ったなしの状況ですが、海外の企業から届いた値上げの文書で気になる英語を見つけてしまったので、今回はそれについて調べてみたいと思います。


英語"lift"の意味は「持ち上げる」だけではない?

先日、相手から受け取った値上げ文書の中に"lift the surchage"という英単語が並んでいました。

"the surcharge"「サーチャージ」とは、航空業界で「燃油サーチャージ」という用語が使われることもありますが、「追加料金」という意味です。

今回の場合は、文脈から値上げそのものを指していました。

ところで、それに対する動詞"lift"ですが、これはどういう意味でしょうか?

英語"lift"は動詞として思いつく意味では、「持ち上げる、引き上げる」等があります。

ということは、"lift the surcharge"で「追加料金を引き上げる」、つまり更に値上げするぞと言われているのでしょうか?

実は、そうではありません。英語"lift"には別の意味があるのです。


「撤廃する」という意味の英語"lift"

上記の"lift the surcharge…"という文には、続きがあります。

その続く文は日本語にすると、「今後、再び通常の状態に戻った暁には」という意味が記載されています。

どういうことでしょう?

「通常の状態に戻った暁」には"lift the surcharge"「追加料金を引き上げる」では、文の前後で意味が通りませんね。

実は"lift"には「持ち上げる」だけではなく、「撤廃する」という意味もあるのです。

 意外な意味1:「撤廃する」

「持ち上げる、引き上げる」とは意味が全然異なりますね。特に今回の表現の場合、後に続く文章までしっかり理解しておかないと正反対の意味で捉えてしまいかねません。

なぜliftが「撤廃する」という意味もあるのか、正確なところは分かりませんでしたが用法としては14世紀初めから見られるようです。

原義「持ち上げる」が、「取り上げる」に転じて「撤廃する」に変化したのかもしれませんね。


まだある!?英語"lift"の意外な意味とは?

ということで"lift the surcharge"は更なる値上げを示唆されていたのではなく、将来的には「値上げを撤廃する」構えが先方にはあることが分かりました。

一安心ですね。

ところで、英語"lift"には更に他にも意外な意味があります。

それは「盗む、盗用する」です。

例えば以下のように用います。

 He lifted the article from another blog.「彼は他のブログから記事を盗用した」

コンテンツの盗用は(悪意が無かったとしても)厳禁です。当ブログでもいろいろな情報を調べながら記載していますが、その扱いには要注意ですね。

話がそれました。英語"lift"には「盗む」という用法も、実はあるのです。この用法は、"shoplift"「万引き」という表現でも見られます。

 意外な意味2:「盗む」

では、なぜ"lift"には「盗む」という意味もあるのでしょうか?

英語版Wiktionaryによれば、以下の説が紹介されています。

(To steal): For this sense Cleasby suggests perhaps a relation to the root of Gothic (hliftus) "thief", cognate with Latin cleptus and Greek (kléptō)).

対訳:「盗むこと」という用法はCleasby※によれば、恐らくラテン語cleptusやギリシャ語kléptōと同族であるゴート語hliftus「泥棒」の語根との関連が示唆されている。

※訳者注:英国の言語学者。

(出典:en.wiktionary

ゴート語の"hliftus"の中に、"lift"という文字が見つかりますね。

言葉の発展の面白さを垣間見れる好例ですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語"lift"が持つ意外な意味について調べてみました。

 意外な意味1:「撤廃する」

 意外な意味2:「盗む」

辞書を引いてみると、"lift"にはここで取り上げた以外にもまだ様々な用法があることが分かります。

基本単語だからこそ使用頻度も高く、結果として意味も広がったのでしょう。

ややもすると相手の意図を間違えて把握しかねないので、要注意ですね。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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