英語"win / lose"は「勝つ」「負ける」とは覚えない!?【発想法】

2022/11/24

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

言葉というのは文化や歴史的背景から多様であり、常に他の言語における単語と一対一対応にはなりません。

母国語における用法をそのまま外国語にも当てはめてしまうと文として成り立たなくなってしまうこともしばしばです。

そうならない為にも単語の用法まで抑えておきたいところですが、より確実にするには単語の持つイメージを押さえておくことではないでしょうか?

今回は私がイメージから単語を用法ごと押さえた英語"win / lose"の例を紹介したいと思います。


英語"win"の意味とは?

英語は多くの方が中学校から始めているので、基本的な文法や語彙は教育課程で既に知っています。

そのため基本単語は改めて見直す機会が限られると思うのですが、場合によっては落とし穴に陥りかねません。

その一例が英語の動詞"win"の用法です。

日常的にも用いられるので今さら確かめなくても「勝つ」という意味はすぐに出てきますよね。

では「勝った」を用いた以下2つの文は、どう英訳すればいいでしょうか?

 例1)私はその試合に勝った。

 例2)私は彼に勝った。


英語"win"の用法に要注意!

例1も例2も基本的な文の構成は同じです。

共通する「勝った」の部分は英語"win"の過去形を用いればいいでしょう。

その上で例1は以下のように訳すことができます。

 例1)I won the game.

例1がこのように訳せることを考えると、例2は"the game"の部分を「彼」にすればいいことになります。

 例2)I won him. →誤り

ところが例2は意味としては誤りで、「彼に勝った」とはなりません。

英語のwinは日本語「相手に勝つ」のように人を目的語に置くことはできないのです。

例2を意味として正しく表現するには以下の通り訳します。

 例2)I won against him.「私は彼に勝った」


英語"win"のイメージは「勝ち取る」にあり

日本語では「試合に勝つ」、「彼に勝つ」どちらも同じ助詞「に」を用いて表現可能です。

だからこそ英語に訳そうとすると混乱や誤訳の元になりかねませんね。

では英語winの意味を「勝つ」とは覚えず、イメージで押さえてしまうのはどうでしょう?

英語winのイメージは「勝ち取る」です。これは語源を遡ると伺えます。

c. 1300 fusion of Old English winnan "to labor, toil, struggle for, work at, strive, fight," and gewinnan "to gain or succeed by struggling, conquer, obtain," both from Proto-Germanic *wennanan "to seek to gain"

(対訳:1300年頃、古英語winnan「骨折る、苦労する、~を求めて闘う、~に努める、努力する、戦う」およびgewinnan「闘争や征服により獲得または成功する」の融合形であり、どちらもゲルマン祖語*wennanan「手に入れようとする」に由来。

(出典:Online etymology dictionary

語源からは、「何かを求めて取り組む」というイメージが伺えます。

この語源が根底にあると、英語"win"「勝つ」は人を直接対象にはできないと考えやすくなります。

そこで英語"win"は単に「勝つ」では無く、「~を勝ち取る」と覚えてみてはどうでしょうか。

助詞「~を」とした方が"win"の他動詞として用法も、よりはっきりとイメージしやすくなると思います。


英語"lose"のイメージも要は「失う」にあり

"win"「勝つ」の反意語は"lose"「負ける」ですが、こちらも負ける対象に人を直接置くことはできません。

 例3)He lost the game.「彼は試合に負けた」

 例4)He lost to her.「彼は彼女に負けた」

"lose"の場合は、前置詞"to"を用いて「相手に負ける」ことを表現できます。

この"lose"には様々な意味がありますが、根本のイメージは「~を失う」にあります。

例3の"lose the game"は要するに「試合を失う」から「負ける」ということです。

他に"lose weight"が「減量する」、"lose oneself"が「道に迷う」「没頭する」という表現も、「失う」というイメージから派生しやすくなりますね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語"win"および"lose"について用法に注意するという観点から考えてみました。

単語を意味ベースで覚えようとすると、その用法や適当な訳語を個別で覚えなくてはならないかもしれません。

そのような場合は根底のイメージを押さえるとより効率的に覚えることができるかもしれませんね。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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