ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
先日ドイツ語ネイティブの方とチャットをしていたところ、"vllt"なる文字列が送られてきました。
これはドイツ語"vielleicht"「ひょっとして、もしかすると」を略した形だったのですが、こうした略語はなかなか外国語学習者にとっては分かりにくいのではないでしょうか?
ということで今回はドイツ語ネイティブによく使う略語として教えて頂いた5つの表現を紹介したいと思います。
ドイツ語学習やドイツ語ネイティブの方とのやり取りにおいて参考になれば幸いです。
1.BD「またね」
互いにメッセージをやり取りして最後に"BD"の2文字が送られてきた場合、それは「またね」という意味のメッセージです。
"BD"はドイツ語"Bis dann" [ビス・ダン]「またね」というカジュアルな別れの挨拶の省略形です。
ちなみにこの"Bis"とは英語"until"「~まで」に、"dann"は英語"then"にそれぞれ相当しますので"Bis dann"で「(次に会う)その時まで」が原義と言えます。
ドイツ語では"Bis"以下の単語を"dann"以外に変えることで様々に別れを表現することもできます。
"Bis bald" [ビス・バルト]「またすぐに」
→"bald"は英語"soon"に相当し、上で挙げた"Bis dann"よりも次に会うタイミングがすぐの場合に用いられます。
Bis morgen [ビス・モァゲン]「また明日」
→"morgen"は名詞「朝」という意味の他に副詞「明日」という用法もあります。"Bis morgen"は次に会うタイミングが翌日の場合に使える表現です。
2.ILD、HDL「愛してるよ」
ドイツ語に詳しくなくても、"Ich liebe dich."[イヒ・リーベ・ディヒ]という表現を聞いたことがあるという人は多いかもしれません。
その略語が"ILD"です。英語"I love you."「愛してるよ」に相当する表現です。
他に、"HDL"という略語もあります。
こちらは"Hab‘ dich
lieb."[ハプ・ディヒ・リープ] の略語ですが、英語にすればやはり"I love you."に相当する表現と言えます。
"ILD"と"HDL"の使い分けは、"ILD"が恋人との関係性に於いて用いられるのに対して"HDL"は(女性同士の)友人関係や家族など親しい間柄の中で用いられる表現なのだそうです。
3.kA「分からない」
メッセージをやり取りする中で、さっぱり分からないことを聞かれることがあるかもしれません。
その場合は"kA"という略語での表現が便利かもしれません。
"kA"はドイツ語で"keine Ahnung"[カイネ・アーヌング]の省略形であり、英語"No idea."に相当します。
「全然分からない」や「検討もつかない」と言いたいときに使うことができますね。
ちなみに「分からない」という表現は他に、"kein Plan."[カイン・プラーン]もあります。
"Plan"は英語"plan"と同様「計画」に加え、ドイツの口語で「考え」という意味もあります。そこで上で挙げた"keine Ahnung"と同義で使われるのです。
"keine Ahnung."と"kein Plan."では"kein(e)"の形が異なるのは、"kein(e)"が否定冠詞として後続の名詞を修飾している為です。
"Ahnung"は女性名詞であるのに対し"Plan"は男性名詞であることから、それぞれの性に合わせた"kein(e)"の形となる点に注意しましょう。
4.kD「どういたしまして」
相手とのやり取りで感謝の表現が大事なのは言うまでもありませんが、感謝に対するお返しの表現も知っておきたいところです。
ネット上でも使われるくだけた口語表現として、"kD"があります。
"kD"は"kein Ding." [カイン・ディング]の略語で、英語に直訳すると"No thing."となります。
再び"kein"という単語が登場しました。今回は後の名詞"Ding"を修飾していますが、"Ding"は中性名詞です。
「大したことではない」、「なんでもない」という意味から、ドイツ語"Danke"「ありがとう」に対する「どういたしまして」の簡単な表現です。
「どういたしまして」は、より一般的には"Bitte (schön)."[ビテ・シェーン]や、"(Sehr) gerne."[ゼーア・ゲァネ]などと表現することができます。
5.vllt「ひょっとして」
最後に、冒頭でも紹介した略語"vllt"を紹介します。
日本語で「ひょっとして」という意味になるのですが、元の単語"vielleicht"が省略された表現が"vllt"です。
本来であれば"vielleicht"の表記に10文字を要する単語が、省略により4文字になります。
例えば、"Vllt hilft
es dir." 「(それが)君の役に立つかもしれないよ」のように用いることができます。
ちなみに10文字を要するこの"vielleicht"という単語は、ドイツ語"viel"「多くの」と"leicht"「簡単な」という2語の複合形で、「とても簡単に起こりやすい」という原義が転じて「ひょとして」、「恐らく」という意味が成り立っています。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はSMS等、ドイツ語のテキストメッセージで目にする略語について紹介しました。
若者を中心として積極的に活用されるSMSなどネットツール上では、日々新たな表現や略語が生まれていることと思います。
今後は語源の振り返りだけではなく、最新の言語事情についても調べて紹介していくことができたらと思います。