ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
突然ですが、皆様は"seminar"という単語をどう読みますか?
一般的には「セミナー」と読まれることが多いかもしれません。一方で学生、とりわけ大学生の間では「ゼミナール」という読みが最初に浮かぶかもしれません。
では、「セミナー」と「ゼミナール」は読み方の他に何が異なるのでしょうか?
「セミナー」or「ゼミナール」?
そもそも、この読み方の違いはどの言語から日本語に取り入れられたかの違いです。
つまり英語を経由した読み方が「セミナー」であり、ドイツ語を経由した方が「ゼミナール」です。
ドイツ語では子音"s"が母音を伴うと「ザ行」の音になります。
"sa,
si, su, se, so"はドイツ語で「ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ」と読むことになります。
日本でその意味するところは、「セミナー」が一般的な勉強会や研究会を指す一方で、「ゼミナール」の方はもっぱら大学における少人数制の研究会を指すと言えます。
Google検索でそれぞれの単語を調べてみると検索結果は圧倒的に「セミナー」の方が多いです。
セミナー :約 193,000,000 件
ゼミナール:約 26,100,000 件
やはり「セミナー」の方が使用範囲の広いことが伺えます。
更に「ゼミナール」は「ゼミ」と略した使用が大学の中では一般的だと思いますが、これは「ゼミナール」が比較的長い単語である事や大学生によって生み出されたいわゆる若者言葉である事が関係しているかもしれませんね。
"seminar"の語源とは?
元は同じ"seminar"という単語が英語、ドイツ語の両方から取り入れられ、かつ現在も両方が用いられているというのはなかなか珍しい例ではないでしょうか。
ところで、そんな"seminar"の語源は何でしょうか?
Online
etymology dictionaryによると以下の記載がありました。
1887, "special group-study class for advanced students pursuing real research," from German Seminar "group of students working with a professor,"
対訳:1887年、「真に研究を追求する上級学生のための特別なグループ研究会」、ドイツ語Sminar「教授とともに活動する学生のグループ」から
(出典:Online
etymology dictionary)
英語の"seminar"も元はドイツ語から取り入れた単語だったのですね。では"seminar"はドイツ語由来の単語なのでしょうか?
from Latin seminarium "plant nursery, seed plot," figuratively, "breeding ground," from seminarius "of seed," from semen (genitive seminis) "seed" (from PIE root *sē- "to sow"). The word, and the thing, picked up in England and America from the German universities.
対訳:ラテン語seminarium「苗床」、比喩的に「温床」、seminarius「種子の」、semen(属格形seminis)「種子」に由来(印欧祖語の語根*sē-「種をまく」から)。この単語および研究会というものはドイツの大学からイングランドやアメリカに取り込まれた。
(出典:Online etymology
dictionary)
更に遡るとラテン語に由来する単語であることが分かりました。
またその原義は「種をまく」から派生した「苗床」でありました。
学生たちが主体的にテーマ(種)を見つけ、その研究や証明に取り組む場所として"seminar"は原義から見てぴったりだと言えますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は"seminar"という単語について調べてみました。
日本には英語由来の「セミナー」、ドイツ語由来の「ゼミナール」の2通りが今でも用いられている珍しい例では無いでしょうか。
その語源は「苗床」に遡ることができ、"seminar"の役割にぴったりでした。
私は大学もとうの昔に卒業し今では一人で語学に取り組む状況ですが、種が大きく育つようにこれからも一人であろうと"seminar"スタイルを続けていきたいと思います。