英語"season"が動詞で「味つけする」を意味する訳とは?

2023/04/13

英語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

英語は義務教育の課程で誰もが通る道であり、また巷でも外来語として触れない日は無いくらいになっています。

基礎的な語であれば今さら振り返るまでも無いと思いますが、中には注意を要する単語もあるのもまた確かです。

ということで今回は、"season"「シーズン、季節」について考えてみたいと思います。


英語"season"の意味とは?

先述の通り今さら振り返るまでも無いとは思いますが、"season"という単語について辞書を調べてみましょう。

すると名詞として以下の意味があることが分かります。

 1.季節、旬

 2.旬

 3.(流行、スポーツや観光などの)シーズン

(参照:プログレッシブ英和中辞典第5版)

日頃、「シーズン」という表現もよく見かけますがこれは多くの場合3.を意味する表現ですね。

ただし"season"は名詞だけでなく、動詞としての顔も持っているので要注意です。

辞書によると動詞としての意味は以下の通りです。

 1.(食材などを)味つけする

 2.(ワインなどを)熟成させる

 3.(言葉などに)スパイスを効かせる

(参照:プログレッシブ英和中辞典第5版)

これは、例えば調味料のことを「シーズニング(英"seasoning")」と表現することを思い出せばイメージできるかもしれません。

とは言え、なぜ"season"が名詞「季節」と動詞「味つけする」という一見異なる2つの顔を持っているのでしょうか。


英語"season"の語源とは?

では名詞と動詞で異なる"season"の用法について、語源を探ることで調べてみたいと思います。

Online etymology dictionaryによれば、この単語はラテン語にルーツを持ちフランス語を経由して英語に取り込まれたようです。

from Old French seison, seson, saison "season, date; right moment, appropriate time" (Modern French saison) "a sowing, planting," from Latin sationem (nominative satio) "a sowing, planting," noun of action from past-participle stem of serere "to sow".

対訳:古フランス語seisonsesonsaison「季節、日付、適切な時、時期」(現代フランス語saison)、「種まき、植え付け」、ラテン語sationem(主格satio)「種まき、植え付け」に由来し、動詞serere「種をまく」の過去分詞形語幹から派生した行為名詞。

(出典:Online etymology dictionary

元の意味は「種まき」という意味でした。ですが、古フランス語の時代には既に「季節」という意味を持っています。

「種まき」から「季節」への変化は俗ラテン語期に起こったようです。

The sense shifted in Vulgar Latin from "act of sowing" to "time of sowing," especially "spring," regarded as the chief sowing season. In Old Provençal and Old French (and thus in English), this was extended to "any one of the four natural periods of the year," especially as determined astronomically by solstices and equinoxes.

対訳:俗ラテン語期には「種まき」から「種まきの時期」へと意味が変化し、特に主な種まきの季節であることから「春」を指すようになりました。古プロヴァンス語や古フランス語(故に英語)において、至点と分点により天文学的に定義される「四季のうちの一つの季節」という意味に拡大しました。

(出典:Online etymology dictionary

この原義である「種をまく」というイメージが、動詞の用法では「味つけをする」という意味として残っていると言えます。

また動詞の用法に関しては以下のように解説されています。

from Old French saisonner "to ripen, season" (Modern French assaisoner), from seison, saison "right moment, appropriate time" on the notion of fruit becoming more palatable as it ripens.

対訳:古フランス語saisonner「熟す、味つけをする」(現代フランス語assaisoner)、果実が熟すにつれより美味しくなるという観点での「ちょうどいい時、適切な時期」という意味のseisonsaisonから。

(出典:Online etymology dictionary

こちらは「時期」といっても種まきでは無く、果実の食べ頃に関して適切な時期を言及していたということになります。

以上のように原義「種まき」から始まった"season"は「時期」という意味に転じたことで、その用法が変化し発展していったということですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語"season"の用法について考えてみました。

「シーズン」も「シーズニング」も日ごろ目にする外来語かもしれませんが、改めて考えると「季節」と「調味料」が同じ単語で表現されているのは不思議でした。

しかしそんな不思議も語源を遡ることで見えてくるものがありますね。

今後もこうした例があれば当ブログで紹介していきたいと思います。

Translate

このブログを検索

プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

お問合せフォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ