ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
ビジネスシーンにおいてネクタイを着用しないスタイル、いわゆるノーネクタイはもはや当たり前になりました。
私の勤務先においても当初は夏季においてのみだったのが、現在では年間を通してノーネクタイが受け入れられています。
ところでネクタイと一口に言ってもその様式によって種類がいくつかありますが、そんなネクタイの外国語における雑学を今回は紹介したいと思います。
ネクタイを英語で言うと?
まずネクタイを英語で表現すると、"necktie"であり、つまり英語から取り入れた外来語がネクタイというわけです。
"necktie"の語源は大変シンプルで見ての通り、"neck"「首」+ "tie"「タイ、帯」に由来します。
Online etymology dictionaryによれば1838年には見られる語だそうで、日本では江戸時代の頃にはネクタイが用いられていたようです。
ネクタイの発祥はクロアチア?
日本語のネクタイ、及びその元になった英語"necktie"のどちらも指すものはビジネスシーンで用いられる一般的なタイプです。
ただ、他にも様々なスタイルがあり、その総称を指す単語として"cravat" [クラヴァット]があります。
この"cravat"はフランス語を通じて英語に入った他、ドイツ語でも"Krawatte" [クラヴァッテ]という借用語になっているのですが、実はクロアチアにルーツがあるというのです。
どういうことでしょうか? Online
etymology dictionaryによると以下の解説が見つかります。
1650s, from French cravate (17c.), from Cravate, literally "Croatian," (中略) Cravats came into fashion 1650s in imitation of linen scarves worn by the Croats or Crabats, 17th-century light cavalry forces who fought on the side of the Catholic League in the Thirty Years' War.
対訳:1650年代、フランス語cravate(17世紀)、原義はCravate「クロアチア人」から、(中略)cravatは三十年戦争時にカトリック同盟側で戦った17世紀のクロアチア軽騎兵部隊が着用していたリネンのスカーフを模して、1650年代に流行しました。
(出典:Online
etymology dictionary)
三十年戦争とは1618年から1648年、まさに三十年間続いた宗教戦争です。
そこでのクロアチア軽騎兵のスタイルが後に流行り、フランス語で「クロアチア人」を指す語がそのままネクタイの意味になったというのですね。
ちなみに現代フランス語では、"croate" [クロアート]が「クロアチア人 (語)」の意味で用いられ、ネクタイを指す語とは区別されています。
幅広タイプのアスコットタイとは?
先述の通り"cravat"は総称であり、"necktie"に限らず"bowtie"「蝶ネクタイ」や"ascot"「アスコットタイ」も指すことができます。
このうち"bowtie"ですが、"bow"は「弓、アーチ状のもの」の他に「蝶結び」という意味があります。
"bow"の原義が「曲げる、曲がる」ということから、タイを曲げて形作られる「蝶結び」という意味が派生したのだと思われます。
一方、横に幅広いボリューム感のあるタイがアスコットタイです。
この"ascot"「アスコットタイ」もまた、"cravat"と同様に固有名詞から派生しています。
Online
etymology dictionaryから語源を紐解いてみましょう。
village near Windsor, Berkshire, literally "eastern cottage." The site of fashionable horse race meetings, hence its use attributively for clothes suitable for the event; especially a type of tie (1889).
対訳:バークシャー州ウィンザー近郊の村で原義は「東の小屋」。上流社会の競馬場の所在地である事からイベントに適した服装、特にタイに関して用いられる(1889年)。
(出典:Online
etymology dictionary)
"Ascot"という地名は現在でも存在し、競馬場もイギリス王室所有の、ドレスコードもある非常に格式高い競馬場として存在しています。
そうした限定的な場所や状況で用いられたことから、Ascotという地名と結び付けられたわけですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はネクタイに関する表現について調べてみました。
我々がビジネスシーンで用いる"necktie"が一般的にイメージしやすいですが、総称としての"cravat"やフォーマルな場で用いられる"ascot"等、様々なタイプがあり、そのルーツを調べてみると興味深い発見もありました。
今後もこうした発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。