ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
以前"seminar"という単語を取り上げ、「"seminar"はもともとどんな場所?」という記事をアップしました。
詳細はこちら。
今回は"symposium"という単語を取り上げ、「"symposium"はもともとどんな場所」かについて調べてみたいと思います。
"symposium"「シンポジウム」とは?
「シンポジウム」や省略して「シンポ」と表現されるように、外来語として取り込まれている"symposium"ですが辞書によるとその意味は以下の通りです。
1.(特定の問題に関する)討論会や座談会、評論集や論文集
2.(古代ギリシャ・ローマにおける)酒宴、宴会、談論
(参照:プログレッシブ英和中辞典(第5版)の解説より)
現代では1の意味で用いられていることは明らかだと思いますが、気になるのは2の意味です。
実は2の酒宴、宴会が"symposium"のルーツなのです。
"symposium"の語源とは?
"symposium"のルーツが酒宴、宴会にあるというのはどういうことでしょう?
語源を紐解いてみましょう。
from Latin symposium "drinking party, symposium," from Greek symposion "drinking party, convivial gathering of the educated", from assimilated form of syn- "together" + posis "a drinking,"
対訳:語源は、ラテン語symposium「酒宴、談論」← ギリシャ語symposion「酒宴、教養ある人たちの懇親の場」、syn-「共に」+ posis「飲むこと」から成る同化形である。
(出典:Online
etymology dictionary)
「共に(集まって)飲むこと」が原義であることから、「酒宴」という意味がルーツにあったというわけです。
ちなみに"posis"「飲むこと」の方は印欧祖語の語根*po(i)-「飲む」にまで遡ることが可能なのですが、英語"poison"「毒」のルーツでもあります。
また、英語で書かれた最大の百科事典の一つ『Century
Dictionary』には、以下の解説が見つかります。
The symposium usually followed a dinner, for the Greeks did not drink at meals. Its enjoyment was heightened by intellectual or agreeable conversation, by the introduction of music or dancers, and by other amusements.
対訳: 酒宴は通常、夕食後に開かれましたが、これはギリシャ人が食事中にはお酒を飲まなかった為です。その場は知的かつ心地よい会話によって、また音楽やダンサー、その他娯楽も持ち込まれることで盛り上げられました
(出典:Online
etymology dictionary)
語源としては「酒宴」ですが、その内容は知的な会話が交わされる場であったことが現代"symposium"の意味に発展した所以と言えます。
英語では18世紀後半頃から、現代に通じる意味「討論会や座談会」での記録が残っているそうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は"symposium"という単語について調べてみました。
その語源は「酒宴」を意味したギリシャ語にありましたが、当時の「酒宴」は教養ある人たちによって知的な会話が交わされる場であったんですね。
現在のシンポジウムでは開会中の飲酒はご法度と思いますが、活発な討論を終えた後は気持ちよくお酒を飲めるかもしれませんね。