ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
海外メーカーのお菓子は今ではスーパーやコンビニ等で簡単に手に入る時代ですが、昔から知られているものの1つにチュッパチャプスがあります。
チュッパチャプスは1958年スペイン・バルセロナで生まれ、日本での販売は1977年に遡るそうです。
包み紙に描かれた鮮やかなロゴは印象深いですが、そのロゴデザインは著名な芸術家サルバドール・ダリによるものだというエピソードは有名でしょう。
スペイン語の"chupa"とは?
チュッパチャプスはアルファベット表記で"Chupa
Chups"となります。
ちなみにスペイン語ではつづりと発音は一致するため、原語に近いカナ表記は「チュパチュプス」となります。2番目の"u"を「ア」と発音するのは英語式です。
この特徴的な"chupa"「チュパ」とは動詞"chupar" [チュパール]に由来します。
意味は、以下の通りです。
[他] 〈液体を〉吸う;しゃぶる、なめる
(参照:小学館 西和中辞典 第2版)
また、この単語の語源は英語版Wiktionaryによれば"Imitative"、つまり「擬声、擬態語」だとされています。
物を吸ったりしゃぶったりするときの音がルーツになっているというわけです。
これは日本語でも、赤ん坊が指をしゃぶる様を「ちゅぱちゅぱ」という擬音で表現することからもイメージしやすいと思います。
スペイン語と日本語は地理的にも遠くかけ離れた言語ですが、こうした表現で共通点があるのは面白いですね。
また、チュッパチャプスの食べ方からもぴったりのネーミングと言えます。
しゃぶる指は1本か、複数か?
ところで「吸う、しゃぶる」という意味の動詞"chupar"ですが、「(自分の)指をしゃぶる」と言いたいときには注意が必要です。
「指」はスペイン語で"el dedo"(elは定冠詞)ですが、"chupar el dedo"では自分以外、誰かの指をしゃぶるという意味になってしまいます。
自分の指であることを示すには、再帰代名詞"se"を用いて"chuparse
el dedo"としなくてはなりません。
変な誤解を生まない為にも再帰代名詞の有無には気を付けたいところです。
また、もう1つ気をつけたいのがしゃぶる「指」の数です。
ご存じの通りスペイン語では対象の数で単数か複数かを区別します。
先程挙げた"el dedo"「指」は単数形であり、厳密には「指1本」ということです。
2本以上の「指」は"los
didos"(losは定冠詞)であり、単数形"dedo"の語尾に"-s"をつけます。
ということは(自分の)1本の指をしゃぶるなら"chuparse el dedo"であり、(自分の)2本以上の指をしゃぶるなら"chuparse los dedos"ということになります。
「指」の数ぐらいどうということは無いかもしれませんが、慣用表現では「指」の数は重要になってきます。
というのも、スペイン語では指1本の"chuparse
el dedo"は「無邪気な、愚かな」という意味である一方で複数の"chuparse los dedos"は「おいしくて指をしゃぶる、楽しむ」という意味になるからです。
ということで、指をしゃぶるという表現では、誰の指かという点や指の数に注意するようにしましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はスペイン語で「しゃぶる」という動詞"chupar"について考えてみました。
慣用表現の意味が「指」の数で変わるというのは面白いですが、数を意識する習慣が無い我々にはちょっと取扱いに注意しないといけませんね。
今後も興味深い例があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。