ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか。
我々は数字を使って日頃からいろいろなことを表現します。
物を数えるときはもちろんのこと、時刻や部屋番号、会計など…数字を目にしないことはありません。
また、数字を使って順序も表すことができます。1番目、2番目…または1号目、2号目…と言った具合です。
通常の数を基数と言うのに対し順序を表す数を、序数と言います。
今回は、この序数の表現について調べてみました。
日本語と外国語で序数を比較すると?
まずは序数の表し方を比べてみます。
日本語では対象の物事によって表し方が豊富に存在します。
1番目、2番目…、1号目、2号目…、1曲目、2曲目…
また第1、第2…のように、先頭に「第」を添えることもあります。
物事の単位がヨーロッパの言語と比べて実に多様な日本語ですが、序数に於いても同様です。
日本語の場合は、対象の単位も知っておかないと序数の表現も難しいと言えます。
一方で、ヨーロッパの言語はどうでしょうか?
英語において基数と序数の関係は以下の通りです。
基数:1 one、2 two、3 three、4 four …
序数:1 first、2 second、3 third、4 fourth …
英語では1、2、3の序数は個別の形が存在しますが、4以上は語尾に"-th"を添えれば可能です(ただし、5"five"→"fifth"、8"eight"→"eighth"、9"nine"→"ninth"など例外も)。
一部の例外もつづり字や発音上の変化であり、覚える点はそこまで多くないと言えます。
フランス語の「2番目」は2通りある?
では、今度はフランス語の場合を見てみましょう。
基数と序数の関係は以下の通りです。
基数:1 un、2 deux、3 trois、4 quatre …
序数:1 premier、2 second
/ deuxième、3 troisième、4 quatrième …
フランス語に於いて、基本的な序数の作り方は基数に語尾"-ième"を付ければよいと言えるでしょう(場合によっては基数の語尾"-e"を落とす)。
そこで改めて序数を眺めると、どうやらフランス語では2以降で語尾"-ième"を付けた形が用いられ、特別な形は1 "premier"と2 "second"だけのようですが…。
何と興味深いことに「2番目」は"second
/ deuxième"の2通りの表現が存在します。
どちらも「2番目」を指す、この単語は何が異なるのでしょうか?
"second / deuxième"「2番目」の違い、使い分けは?
仏和辞典ではどちらの単語も「第2、2番目の」といった意味で載っていますが、実はちょっとした使い分けが存在します。
On peut, par souci de précision et d’élégance, réserver l’emploi de second aux énoncés où l’on ne considère que deux éléments, et n’employer deuxième que lorsque l’énumération va au-delà de deux. Cette distinction n’est pas obligatoire.
対訳:文に正確さと格式をもたらすために、序列が2つ以上ある場合でなければdeuxièmeは用いないようにし、2つのみの場合はsecondを用いるようにしています。(ただ)この区別は必須ではありません。
(出典:www.academie-francaise.fr/second-deuxieme)
つまりある序列において、
① 第3以降も存在する → 対象の2番目は"deuxième"
② 第1、第2しかない → 対照の2番目は"second"
と使い分けると良い(ただし必ずしもそうではない)という事になります。
①の場合は、第3 "troisième"以降と語尾を揃えることができるという点で文体上の好ましさがあるのかもしれません。
ただし、特定のフレーズや表現に於いては上述の使い分けに関わらず、"deuxième"より"second"の方が一般的です。
先に引用したアカデミー・フランセーズの解説によれば、以下の例が見つかります。
seconde main「中古、セカンドハンド」
seconde nature「第2の天性(後天的に身に付いた癖)」
le second「一等航海士」
3番目は、もともと形容詞である"second"を名詞として用いた例です。
名詞的な用法は以下の通り"deuxième"にも存在します。
second / deuxième:[名詞](建物の)3階
これは本来「階」を意味する"étage"が省略されたためですが、どちらでも「3階」の意味が可能です。
区別するのであれば"second"が3階建て、"deuxième"が3階以上ある建物の「3階」を指すことになります(念のため、欧米では1階が「地上階」と呼ばれることにご注意を)。
それに対し「一等航海士」という意味では"second"のみであり、"deuxième"を使うことはできないというわけです。
日本語で「一等航海士」なのに"second"「2番目」となるのは、恐らく"capitaine"「船長」が上にいるからでしょうか。
日本語と西洋で「階」表示にズレが生じているのと似ていますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は序数の表現について調べてみました。
こと「数」に関することでは、物事の単位の豊富さで日本語はなかなか複雑です。
その点、英語やフランス語などヨーロッパの言語はそこまでの難しさは感じられませんが、今回の例のようにちょっとした使い分けが必要な語があるのは興味深いですね。
ちなみにフランス語の"second"(女性形"seconde")は、子音"-c-"の音が濁って[スゴン(スゴンド)]のように発音するのでご注意を。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。