ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
「みち」という日本語には様々な漢字を充てることができますが、「道」と「路」は特に似た用法があるのではないでしょうか。
人や物が移動するための「みち」として広く用いられる「道」に対し、「路」はある区間（往路、紀州路･･･）や用途を表したり（線路、空路･･･）目に見えない「みち」を表したり（回路）と特定の表現で見られる傾向があるように感じます。
今回は「道」について、英語"street"と"route"という単語について考えてみたいと思います。
英語"street"と"route"の違いとは?
それぞれの意味を辞書で紐解くと、以下の解説が見つかります。
１．streetの意味
[名] 街路、通り、…街、車道、大通り、街頭、街中
２．routeの意味
[名] (目的地に至る)道、(車などの)道路、(幹線道路の)…号線、順路、経路
（参照：プログレッシブ英和中辞典(第5版)）
"street"の方は街路や大通りを指す言葉として用いられ、"route"は目的地への経路やある区間の道路を指す言葉として用いられるとのこと。
何となく"street"「道」に対し"route"「路」の使い分けに近いニュアンスもあるような気もします。
語源で見る"street"と"route"の共通点とは?
意味のうえでは上述のように異なる使い分けをされる"street"と"route"ですが、語源を遡るとある共通点が浮かび上がってきます。
それは何でしょうか?
その答えを探しに語源を尋ねてみましょう。
まず"street"の語源は、Online
etymology dictionaryによれば以下の通りです。
from Late Latin strata, used elliptically for via strata "paved road," from fem. past participle of Latin sternere "lay down, spread out, pave," from PIE *stre-to- "to stretch, extend,"
対訳：後期ラテン語strata、特にvia strata「舗装された道路」という用法から、strataはラテン語sternere「横たえる、広げる、舗装する」の過去分詞女性形であり、印欧祖語*stre-to-「延ばす、広げる」に由来。
（出典：Online
etymology dictionary）
"street"のルーツはラテン語に求められますが、本来は過去分詞の"strata"が"via"「道路」を修飾する形容詞として働き、「舗装された道」を意味していました。
では、"route"の方はどうでしょうか?
from Old French rute "road, way, path" (12c.), from Latin rupta (via) "(a road) opened by force," broken or cut through a forest, etc., from rupta, fem. past participle of rumpere "to break".
古フランス語rute「道路、道、小道」（12世紀）を経由、ラテン語rupta (via)「森を破壊または伐採する等、力で切り開かれた（道路）」から、ruptaはrumpere「壊す」の過去分詞女性形から。
（出典：Online
etymology dictionary）
"route"のルーツもラテン語に求められますが、"rupta"が"via"「道路」を修飾する形容詞として働き、「切り開かれた道」を意味していました。
つまり語源を尋ねてみれば、どちらも元は形容詞であり直接的には「道」の意味を持っていなかったという共通点があったというわけでした。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「道」に関して英語"street"と"route"について調べました。
Googel
Maps等を見れば、市街地には"street"が都市の至る所にめぐらされ、都市間を結ぶ高速道路に"route"の語を見つけることができますが、本来は直接的に「道」という意味を持つ単語ではなかったのですね。
今後も語源を尋ねることで興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。
