ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
夏の風物詩と言えば、花火大会やプールといったレジャーをはじめ、風鈴やラムネ、蝉の鳴き声など五感で楽しめるものが多くありますね。
また夏祭りで屋台の食べ歩きを楽しむというのもいいですね。
屋台で見かける定番の食べ物の一つと言えば綿あめですが、今回は「綿あめ」の外国語について調べてみました。
【英語】Candy Floss、Fairy Floss
綿あめを英語で表現する場合、地域によっていくつかあるようで、英国やアイルランド等では"Candy Floss"、オーストラリアでは"Fairy Floss"と呼ばれることもあるそうです。
両者に共通する単語"floss"は辞書によると以下の意味が見つかります。
1.繭の毛羽、繭綿
2.デンタルフロス
(参照:プログレッシブ英和中辞典(第5版))
「フロス」と言えば専ら2.のイメージがありますが、元は繭の毛羽を意味する単語でした。
今でこそデンタルフロスにはナイロンやポリエステル繊維が用いられていますが、古くは綿が用いられていたことによる派生かもしれませんね。
英語"Candy Floss"は綿のような飴のお菓子という意味で、日本語「綿あめ」と同等の表現と言えるでしょう。
オーストラリア英語の"Fairy Floss"の方は、形容詞"fairy"「妖精の(ような)」がついて「妖精の繭綿」と訳せるでしょうか。おとぎ話に登場しそうな、可愛らしい名称ですね。
【フランス語】Barbe à papa
続いてフランス語では綿あめのことを"Barbe
à papa"と言います。
直訳すると、「パパのひげ」という意味になります。
イメージとしてはサンタクロースが持つような白いひげが思い浮かびますね。
この"Barbe à papa"から生まれたのが絵本やアニメで知られるキャラクターの"Barbapapa"「バーバパパ」です。
バーバパパは絵本作家であるフランス人とアメリカ人の夫妻によるキャラクターですが、ある子供が親に"Barbe à papa !"「綿あめ!」と言っているところに出くわし、その意味(フランス語)が分からなかったアメリカ人の夫がフランス人の妻に尋ねたところから発想が広がっていったことがきっかけなのだそうです(参照:Wikipedia)。
ちなみに、"Barbe"は英語"beard"と同語源であり、「あごひげ、ほおひげ」を意味します。
「口ひげ」は"moustache"(英語"mustache")です。
【チェコ語】Cukrová Vata
チェコ語では、綿あめのことを"Cukrová
Vata"と表現します。
前半の"Cukrová"は名詞"cukr"「砂糖」に形容詞を作る接尾語"-ový"がついた形です。
後半の修飾する名詞"Vata"「綿」が女性名詞のため、接尾語の語尾が"-ová"に変化します。直訳すれば「砂糖の綿」になるでしょう。
ところで気になるのは、チェコ語"vata"と日本語「綿」の関係です。
チェコ語のアルファベットはつづりと音の関係が一対一対応になりますが、"Cukrová Vata"の場合[ツクロヴァー・ヴァタ]のように発音します。
チェコ語の"vata" [ヴァタ]と「綿(わた)」で音が非常に似ていますが、これは偶然なのでしょうか。
英語版Wiktionaryによれば"vata"は直接的にはドイツ語からの借用であるようです。
Borrowed from German Watte, from Dutch watten, from French ouate,
(参照:en.wiktionary)
さらに遡るとオランダ語やフランス語の影響も伺えますが、いずれも「綿」と音が似ています。それぞれカナ表記すると以下の通りです。
ドイツ語 Watte [ヴァテ]
オランダ語 watten [ワテン]
フランス語 ouate [ワト]
その究極的な起源は不詳ですが、アラビア語やヘブライ語で「衣服」を意味した語との関連性が疑われているとのことでした(参照:en.wiktionary)。
一方で日本語の「綿」についても起源は不詳でありながら、そのルーツが梵語(サンスクリット語)に求められる説があるそうです。
この点については国立情報学研究所のサイトを通じて「綿の語源について」という文献を見ることができます(参照:https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001338236361856)。
ヨーロッパの諸言語と日本語で音が似る「綿」は、もしかしたら中東からインドに掛けてルーツが生まれて広まっていったのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は綿あめを外国語で何と表現するかについて考えてみました。
調べてみると「綿」と音が似ている外国語の関係など気になる発見がありました。
それぞれの言語で「綿」を意味する語が同じルーツから派生したものなのかどうか正確なところは分かっていませんが、綿の原産国としてインドやパキスタンなどが有名であることを考えると、何らかの関係があったのではないでしょうか。
今後も気になるネタがあれば当ブログで紹介していきたいと思います。