ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
文法学習において、形容詞や副詞の「比較級・最上級」はどの外国語でも必ず通るカテゴリーですね。
英語では、比較級は「原形語尾に"-er"をつける」か「"more"+原形」、最上級は「原形語尾に"-est"をつける」か「"most"+原形」という表現法を学びました。
今回はポーランド語のお話です。
ポーランド語の比較級と最上級の作り方は?
ポーランド語においてもやはり形容詞や副詞に対する比較級・最上級の表現があります。
それぞれの表現方法は以下の通りです(一例をあげます)。
・ポーランド語の比較級
1.原形 + 接尾辞"-sz(y)"、"-ejsz(y)"
2.副詞"bardziej" + 原形
・ポーランド語の最上級
1.接頭辞"naj" + 比較級
2.副詞"najbardziej" + 原形
(参照:よくわかる現代ポーランド語文法)
「原形or比較級に接辞をつける」または「副詞+原形」の2通りがあるということで、英語における方法と似たイメージですね。
ところで、この比較級に関して学習した際に、私の頭の中にとあるポーランド単語が浮かび上がってきました。
pierwszy [ピエルフシ]「最初の、第一の」
英語"first"に相当する単語ですが、この単語も語尾"-szy"がついています。
この"-szy"は比較級語尾と関係があるのでしょうか?
スラヴ諸語で比較、"pierwszy"のルーツとは?
そもそも"pierwszy"は意味の面から最上級に相当する語であり、比較級語尾"-szy"が伴うことは考えにくいですね。
実際に、ポーランド語とルーツが近しいスラヴ語圏の相当語を比較してみると以下の通りです。
ロシア語 pervyj ※ラテン文字表記
チェコ語 první (かつてはprvý)
ブルガリア語pǎrvi ※ラテン文字表記
またどの単語も直接的にはスラヴ祖語*pьrvъ 「最初の」に由来するようです。
(参照:en.wiktionary)
示した言語はあくまで一例ですが、他にもポーランド語"-szy"のような語尾を用いる例は見受けられませんでした。
ただ、"pierwszy"のルーツはWiktionaryによるとやはり比較級語尾"-szy"のついた形であることが伺えます。
ポーランド語においても中期頃(16~18世紀)までは"pierwy" [ピエルヴィ]が「最初の」という意味であたようです。
興味深いことに、古くは"pierwy"にも比較級と最上級形が用意されていたようです。
比較級 pierwszy
最上級 napirwszy
「より最初の」、「最も最初の」という意味としては成り立たない語ですが、当時は用例があったのでしょうか。
そしてどういうわけか、この"pierwszy"が現代ポーランド語では通常「最初の、第一の」を意味する語になったのですね。
調べてみましたが、残念ながら詳細は分かりかねました。もしかすると比較級の方がより意味を強調できるということから現代語に残ったのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はポーランド語"pierwszy"について調べてみました。
ルーツを遡ると本来は最上級的表現である"pierwy"「最初の」に存在していた比較級"pierwszy"があったようです。
引き続きこの詳細が分かれば追記していきたいと思います。