ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
英単語を効率的に覚えるうえで、接辞(接頭辞、接尾辞)や語根を知っておくことはとても重要です。
例えば接頭辞"sur-"は「上方の」や「越えて」という意味のラテン語"super"が由来ですが、以下の英単語から"sur"のイメージが見て取れるのではないでしょうか。
surcharge「追加料金」= sur「越えて」+ charge「料金」
surface「表面」= sur「上方の」+ face「面」
surname「名字」= sur「上方の」+ name「名前」
これら3語は、接頭辞が無い"charge" "face" "name"の単独でも使われる単語ですね。接頭辞はこのように、新たな語彙を派生させる役割があるとも言えます。
"surround"「取り囲む」の語源について考える
接頭辞"sur-"を持つ英単語は、もちろん上の3語に限らず非常に多くあります。
その中の1つ、"surround"という語について考えてみたいと思います。
"sur" + "round"から成り立っている事は一目瞭然ですね。
"round"は辞書によると以下の意味があります。
形容詞: 丸い、円形の
名詞 : 円、回転
動詞 :(他)…を丸くする、(自)丸くなる
副詞 :回って、周りに
前置詞:…を回って、…の周りに
(参照:プログレッシブ英和中辞典(第5版))
簡単な単語ですが複数の品詞として用いられることから、要注意と言えそうです。
さて、"surround"は"round"に接頭辞"sur-"がついた派生語だとして、その意味は以下の通りです。
動詞 :(他) …を囲む、取り巻く、包囲する
名詞 :(窓周りなどの)回り枠、(ある区域・範囲を)取り囲むもの
(参照:プログレッシブ英和中辞典(第5版))
以上のことを踏まえれば、円形のもの(round)が上から覆う(sur)ようなイメージから"surround"が「取り囲む」という意味であると考えられますね。
ところがこの単語の語源を紐解いてみると、"round"は全く関係が無かったのです。
"surround"の成り立ちは"sur"と"round"では無かった!
いつものようにOnline
Etymology Dictionaryを紐解いてみましょう。
early 15c., surrounden, "to flood, overflow," from Anglo-French surounder, Old French soronder, suronder "to overflow, abound; surpass, dominate," from Late Latin superundare "overflow," from Latin super "over" + undare "to flow in waves," from unda "wave".
15世紀初めsurrounden「あふれ出る、氾濫する」、アングロ・フランス語surounder、古フランス語soronderまたはsuronder「氾濫する、あふれている、越える、支配する」、後期ラテン語superundare「氾濫する」、ラテン語super「越えて」+ undare「波状に流れる」(unda「波」)から。
(出典:Online
Etymology Dictionary)
遡ってみると、英語に取り入れられる以前は現代語"surround"のように子音"r"が二つ重なっておらず単に"soronder"または"suronder"という形であったことが分かります。
そして、そのルーツは"super" ( = sur) + "undare"「越えて流れる」であり、元の意味も「あふれ出る、氾濫する」であったのです。
その後、英語では独自の発展を遂げ、現代語の「取り囲む」という意味が派生します。
Sense of "to shut in on all sides" first recorded 1610s, influenced by figurative meaning in French of "dominate," and by sound association with round, which also influenced the spelling of the English word from 17c.
「四方から閉じ込める」という意味の初出は1610年代で、フランス語における「支配する」という比喩的な意味が影響しているほか、17世紀以降のつづりにも影響を与えたroundからの音の連想が関係しています。
(出典:Online
Etymology Dictionary)
ちなみに、"round"もやはりラテン語からフランス語を経由し英語に取り込まれた語です。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は"surround"という語について考えてみました。
単語を改めて接辞と語根で分けてみると、意外な発見があるという好例ですね。
今後もこのような例があれば当ブログで紹介していきたいと思います。