【語源】"pea"「エンドウ豆」+"cock"「雄鶏」で何故 "peacock"「クジャク」!?

2024/02/08

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

鮮やかな色の羽を持つ鳥として知られるクジャクですが、漢字では孔雀と表記されます。

生物の分類上はキジ科になるようですが、漢字では「雀(すずめ)」です。

また英語では"peacock"ですが、"cock"とは「雄鶏」という意味です。

では、前半の"pea"とは何でしょうか?

今回は"peacock"という単語について調べてみました。


"pea"の意味は?

まず"pea"の意味を調べてみました。

辞書によると、「エンドウ、エンドウ豆」とあります(参照:プログレッシブ英和中辞典(5))。

とすると、"peacock"とは「エンドウ豆の雄鶏」という直訳になりますが、エンドウ豆とクジャクでは何の連想も浮かびません。

もう少し調べてみましょう。


"peacock"の語源とは?

Online etymology dictionaryによると、そもそもの語源は以下のように説明されています。

c. 1300, poucock, po-cok, "bird of the genus Pavo," especially an adult male, from Middle English po "peacock" + coc.

対訳:1300年頃、poucockpo-cok「くじゃく属の鳥(特に成鳥のオス)」、中英語のpo「くじゃく」+ cocから。

(出典:Online etymology dictionary

そもそも"pea"が、中英語期の"po"「くじゃく」に由来しているのですね。

後ろに"cock"がくっついて、"peacock"は厳密には成鳥のオスをさしているということになります。

この"pea"(中英語期の"po")の語源をもう少し遡ってみましょう。

Po is from Old English pawa "peafowl" (cock or hen), from Latin pavo (中略) perhaps it is imitative: Latin represented the peacock's sound as paupulo.

対訳:Poは古英語のpawa「くじゃく(オス、メス)」←ラテン語pavo(中略)から、恐らく擬音語に由来しラテン語ではくじゃくの鳴き声をpaupuloと表現しました。

(出典:Online etymology dictionary

その語源はクジャクの鳴き声にあるようです。私は聞いたことが無いのですが、かん高い特徴的な声だそうで、そこから派生した擬態語だとされています。

ということで、"pea"「エンドウ、エンドウ豆」とは全くの無関係というわけでした。


メスのクジャクはどのように表現する?

では、"peacock"が厳密にはオスのクジャクだということならば、メスのクジャクはどう表現すればよいでしょうか。

"cock"がそもそも「雄鶏」という意味である事を考えるに、「雌鶏」という意味の英語を当ててみればよさそうです。

「雌鶏」は英語で"hen"、というわけでメスのクジャクは"peahen"です。

さらに"peafowl"という単語はオスとメスの区別なく「クジャク」を表します。

("fowl"の発音は[ファウル]、「ニワトリ、家禽」という意味です)

ですが、日常的にはそこまで意識しなくとも"peacock"で「クジャク」だと考えておけばよさそうです。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は"peacock"「クジャク」について調べてみました。

そもそも"pea"のみで「クジャク」という意味を持っていましたが、"pea"「エンドウ」との混同を避ける為でしょうか、"cock"が後からついて成り立ったようです。

ちなみに、"cock"は「雄鶏」という意味の他に単に生き物の「オス」を指す場合もあることから、今回のように"peacock"は厳密にいうと「オスのクジャク」になるというわけでした。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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