【実は】"translate"は"transfer"の活用形だった?

2024/02/22

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

外国語学習における文法は嫌厭されがちですが、動詞の不規則活用や冠詞、前置詞など日本語には無い品詞の理解に苦労を伴うことを考えれば仕方ないのかもしれません。

動詞の不定形と過去形の関係が、"bake – baked" "make – made" "take – took"・・・のように様々なパターンで現れると、一つの形に統一してくれ・・・とうんざりしてしまいます。

更に、"go"の過去形"went"のように全く語形が変わってしまう例もあります。

(これは本来"wend"の過去形だった"went"が、"go"の過去形を担うようになったという背景があります)

今回はそんな例を紹介したいと思います。


ラテン語の動詞"fero"の活用とは?

現代でもバチカン市国における公用語として使用されるラテン語ですが、"fero" [フェロー]という動詞があります。

"fero"の一語で「私は運ぶ」という意味を表現できます。不定形は"ferre"であり、"fero"は直接法現在時制、一人称単数形の活用ということになります。

不定形"ferre"から"fero"への活用は、難なく受け入れられると思いますが、この動詞は能動態の完了形や動名詞になると全く異なる語形に変化します。

 完了形 tuli [トゥリー] / tetuli [テトゥリー

 動名詞 latum [ラートゥム]

tetuliは初期の語形。

ラテン語は動詞の活用や名詞の曲用など語形変化が活発ですが、さすがにここまで変化してしまう例はそうありません。

"ferre"が"tuli"や"latum"に活用するのはかなり不規則な変化形です(規則的な例では、"amo"「私は愛する」に対する不定形"amare"、完了形"amavi"、動名詞"amatum")。

では何故このように語形が異なる活用になったのでしょうか。

全く語形が異なる完了形"tuli"と動名詞"latum"は、もともとは"tollo" [トッロー]「上げる」という動詞の完了形や動名詞の活用形でした。

それがどうしたわけか"fero"の完了形と動名詞を担うことになり、このように語形が一致しなくなったのだそうです。


英語"translate"は"transfer"の活用形?

以上を踏まえて、ようやく当記事のタイトルについて触れたいと思います。

 translate (他の場所に)移す、(他の言語へ)訳す

 transfer  (別の場所に)移動させる、移し替える

この2つの英単語はどちらも"trans-"「~を超えて」という接頭辞を持っていますが、後半の語幹"late"がラテン語"latum"に、"fer"がラテン語"fero"にそれぞれ由来します。

つまり現代英語では個別の動詞として独立しているものの、ルーツを遡ると同一動詞の異なる活用形から生まれていたのでした。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は"translate"と"transfer"という動詞の関係について調べてみました。

英語"go"の過去形が"went"に取って代わられたように、ラテン語においても元の語形から大きく変わってしまうような例があり、現代英語にも影響を与えていたというわけですね、

今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。

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Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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