ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
りんごと言えば私には身近な果物の1つに過ぎませんが、西洋、とりわけキリスト教圏においては重要なキーワードではないでしょうか。
創世記においてヘビにそそのかされてイヴが食べてしまう「禁断の果実」はりんごのイメージです。また、続いて食べたアダムが途中でのどにつかえてしまったという話から、のど仏は欧米語圏では「アダムのりんご(英:Adam’s apple)」と表現されます。
今回は、まだまだある「りんご」に関連する単語を3つ挙げたいと思います。
1.ポマード
今どき整髪料と言えばヘアワックスが主流で、「ポマード」という単語を聞いたことが無いという方もいるかもしれません。
ポマードとは油性の整髪料で、髪を固める力が強く艶も出すことができます。
とはいえ、整髪料と「りんご」がどう関連するのでしょうか?
ポマードは英語で"pomade"ですが、その語源を紐解くと関連が見えてきます。
1560s, "a perfumed ointment, especially as used for the scalp and in dressing the hair," from French pommade "an ointment" (16c.), from Italian pomata, from pomo "apple," from Latin pomum "fruit; apple". So called because the original ointment recipe contained mashed apples.
対訳:1560年代、「香りのある軟膏、特に頭髪のセットに用いられる」、フランス語pommade「軟膏」(16世紀)←イタリア語pomata(pomo「りんご」)←ラテン語pomum「果物、りんご」から。かつて軟膏の原料にすりつぶしたりんごが使われていたため。
(出典:Online
etymology dictionary)
実はラテン語の"pomum"「りんご」に由来しており、かつては「りんご」が材料として使われていたそうなのです。
はるか昔、ポマードを付けた人の髪からはりんごの香りが漂っていたのかもしれませんね。
2.ジャガイモ
日本ではジャカルタから伝わったイモが転じてジャガイモという呼称になりましたが、フランス語では"pomme de terre" [ポム・ド・テール]と表現します。
この"pomme"がフランス語で「りんご」、"terre"は「大地、地球」という意味であり、"pomme
de terre"は文字通りには「大地のりんご」になります。
ただし古フランス語の時代、"pomme"は「りんご」に限らず果物全般を指す言葉でもあったそうです。
また以下引用の通り、過去には「ジャガイモ」以外にも用いられたようです。
« Pomme de terre » est une expression figée, calquée sur le latin malum terrae, qui est attestée en français depuis 1488 pour désigner diverses plantes à tubercules ou bulbes.
対訳:「ジャガイモ」はラテン語のmalum terraeに倣った定形表現であり、フランス語では1488年以降、塊茎や球根をもつ様々な植物を指して用いられていました。
(出典:fr.wiktionary)
ラテン語における「りんご」は"malum"であり、対する"pomum"(仏語:"pomme")は前述の通り果物全般を指していたことが伺えます。
3.トマト
最近は糖度が高く、まるでフルーツのような品種もあるトマトですが、イタリア語では"pomodoro" [ポモドーロ]と表現されます。
これまで見てきた"pomade"「ポマード」や"pomme
de terre"「ジャガイモ」のように、前半部"pom-"が「りんご」と関連ありそうですね。
イタリア語で「トマト」を意味する"pomodoro"は、以下の通り「金のりんご」が原義です。
Univerbation of pomo (“apple”) + d' (“of”) + oro (“gold”), literally “golden apple”. Possibly owing to the fact that the first varieties of tomatoes arriving in Europe and spreading from Spain to Italy and North Africa were yellow.
対訳:pomo「りんご」+ d'「の」+ oro「金」の一単語化、原義は「金のりんご」。恐らくヨーロッパにもたらされ、スペインからイタリアや北アフリカに広がった最初の品種が黄色のトマトだったという事実に基づくと思われる。
(出典:en.wiktionary)
今でも品種によっては黄色のトマトも見かけますが、光沢のある表面を見て「黄金のりんご」と称されるのも納得ですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、「りんご」に関連した3つの単語をご紹介しました。
ルーツをさかのぼってみると意外な発見があって面白いですね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。