ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
スペイン語は、ローマ人の言葉であるラテン語をベースに発達した言語ですが、歴史的な背景からアラビア語由来の日常語彙も取り込まれています。
とりわけ語頭"al-"の単語はアラビア語由来である可能性が高く、これはアラビア語の定冠詞"al"もまとめて借用した為です。
今回は、語頭"al-"のスペイン語単語を4つ紹介します。ところが、4つの中に1つだけアラビア語由来でない単語が含まれています。
それはどの単語でしょうか?
【問題】アラビア語由来では無いスペイン語はどれでしょう?
今回ご紹介するのは以下4つのスペイン語です。
1.alcohól [男] アルコール、アルコール飲料
2.algodón [男] 綿、木綿
3.almacén [男] 倉庫、保管所
4.almuerzo [男] 昼食
どれも名詞です。単語の後の[男]は男性名詞であることを指します。意味も載せました。
この内1つだけアラビア語由来でない単語が混じっています。
それはどの単語でしょうか? また、その由来は?
以下に正解を示します。
【答え】アラビア語由来では無いスペイン語は・・・
では、正解です。
上に挙げた4つの単語の内、アラビア語由来では無いスペイン語は・・・
4.almuerzo [男] 昼食
でした。
実は"almuerzo"はアラビア語では無く、ラテン語に由来する単語なのです。
せっかくなので1~4まで、一つ一つその由来を紐解いてみましょう。
1.alcohól
「アルコール、アルコール飲料」を意味する"alcohól"はアラビア語に由来します。
ちなみにスペイン語では子音"h"は音素を持たないので、[アルコオール]のように発音されます。また、2つ目の"o"に強勢があります。
元はアラビア語の"al-kuhl"(注:ラテン文字表記、以下同じ)に由来し、"al-"は定冠詞、"kuhl"は「コール(黒色の微粉末で、アラビアの女性が目元を黒くするのに用いる)」を指します。
中世に錬金術が盛んになった頃から、揮発性の液体を指す用法が生まれ現代の「アルコール、アルコール飲料」という意味になったようです。
2.algodón
「綿、木綿」を意味する"algodón"もアラビア語に由来します。
2つ目の"o"に強勢があり、[アルゴドーン]のように発音されます。
元はアラビア語の"al-qútun"に由来し、qútunが「綿」という意味です。
この単語は英語にも借用されており、その単語はご存じ"cotton"「綿、コットン」です。
歴史的にアラビアとの関係が深いスペイン語では定冠詞"al"がついた形で借用されているのに対し、英語では定冠詞無しの形で伝わっているのは面白いですね。
3.almacén
「倉庫、保管所」を意味する"almacén"もアラビア語に由来します。
最後の"e"に強勢があり、[アルマセーン]のように発音されます。
元は"al-makzan"に由来し、"makzan"が「倉庫」という意味です。
実は、"makzan"はイタリア語"magazzino"やフランス語"magasin"を経て、英語"magazine"のルーツにもなっています。
先程の"algodón"が英語では"cotton"と言うように、定冠詞"al"はスペイン語以外の借用では見られません。
ちなみに英語"magazine"は「雑誌」という意味が現在では主ですが、これは「倉庫」のようにいろいろな情報が豊富に詰まったものという考えから派生しています。
4.almuerzo
「昼食」を意味する"almuerzo" [アルムエルソ]が唯一アラビア語由来ではない単語でした。
この単語はラテン語の動詞"admordeo"「噛む、かじる」の完了受動分詞"admorsus"に由来しています。
とはいえ元のラテン語では語頭"ad-"でありながら、現代スペイン語では語頭"al-"となっています。これは何故でしょう?
実はこの"al-"、アラビア語の影響でつけられたようなのです。
それだけスペイン語におけるアラビア語の影響の大きさが伺えますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はスペイン語の単語についてルーツを調べてみました。
由来を遡ってみると興味深い発見があるものですね。
今後もこうした発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。