ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
語学をじっくりと取り組んでいくには、日頃の体力作りも大切ですね。
体を動かすのに不可欠な筋肉ですが、部位ごとに名前が付けられています。
そこで一覧を見ていて気になったのが、以下の名称。
上腕二頭筋や大腿四頭筋(だいたいしとうきん)。腕や腿にある筋肉に、なぜ「頭」という漢字が使われているのでしょうか。
今回は筋肉の名前について調べてみました。
二頭筋や四頭筋は英語で何と言う?
なぜ「頭」という感じが使われているのか?
相当する英単語のルーツを調べてみると答えが分かります。
まず、二頭筋や四頭筋は英語で次のように表現します。
二頭筋 biceps [バイセプス]
四頭筋 quadriceps
[クァドリセプス]
これらの単語、実は英語も他の言語から語形そのままに借用しています。
その言語とはラテン語です。
ラテン語では"biceps" [ビケプス]、"quadriceps" [クァドリケプス]であり、本来の品詞は形容詞でした。
それぞれ"bi-"と"ceps"、"quadri-"と"ceps"から成り立っています。
そして前半の"bi-"は、"bicycle"や"biscuit"における"bi-"と同じ接頭辞です。
"bicycle"を例にするとピンとくるかもしれません。
"bi-"と"cycle"で「二輪」。つまり、"bi-"は「二、二つ」を意味する接頭辞なのです。
ちなみに、"biscuit"は"bis-"と"cuit"に分けられ、「二度、焼かれた」というのが原義です。
同様に、"quadriceps"も前半の"quadri-"が「四、四つ」を意味する接頭辞です。
"biceps"や"quadriceps"の"ceps"とは?
では後半の"ceps"は何でしょうか。
実はラテン語の接尾語で、「~の頭を持つ」のような意味を持っておりラテン語の名詞"caput"「頭」から派生した語なのです。
この"caput"は"captain"「キャプテン、長、頭(かしら)」という単語の語源にもなっています。
ちなみに、"ceps"という部分は"prince"「王子」という単語ににも関係があります。
どういうことかと言うと、"prince"の語源はラテン語の"princeps"であり"primus"「最初の」と"ceps"から成り立つ単語だったのです。
古くは「君主、王」という意味から現在は「王子、皇子」がメインになりましたが、比喩的に「第一人者」という用法もあり、原義が反映されていると言えます。
話が逸れてしまいましたが"ceps"は"caput"「頭」から派生した語であることから、"biceps"は「二つの頭を持つ」、"quadriceps"は「四つの頭を持つ」が原義であることになります。
ただし前述の通りラテン語では"biceps /
quadriceps"は形容詞であり、本来は"musculus biceps brachii"(順に「筋肉」「二つの頭を持つ」「腕の」という意味)の表現であったと思われます。
英語では名詞"musculus"が脱落し、代わりに"biceps"が名詞に転換しました。
そして日本語の二頭筋や四頭筋という名称は、英語を経由して入ったラテン語の単語を直訳した表現だったというわけでした。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は筋肉の名称について調べてみました。
遡ればそのルーツはラテン語へと至り、あらためて同言語の影響の大きさを感じます。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。