ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
日本語をローマ字表記する際、基本的に「ラ行」は"R"+母音で表現されることから、日本語の「ラ行」は"R"の音なのだとこれまで私は考えてきました。
ところが、どうやら日本語の「ラ行」は英語の"R"音と同じというわけではないようです。
Wikipediaによれば日本語の「ラ行」は状況により豊富な音で発声されており、英語"R"音より、むしろ"L"音に近い場合もあるとのこと(参照:ja.wikipedia.org/wiki/日本語の音韻)。
我々は普段から「ラ行」を様々な音で発して又それを聞いている事から、"L"と"R"の区別が難しいのかもしれませんね。
英語にもない"R"の発音とは?
少し古いですが、"R"の発音に関する以下のような記事がありました。
『「R」の発音ひとつで分かる色々なこと あなたは誰?』
(参照:www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-47770193)
どうやら"R"の音は時代や地域によっても様々な発音の方法があるようです。
英語にもない音で"R"が発声されている例もあります。
例えばフランス語の"R"音です。
フランス語における"R"の発音は、音声学的には「有声口蓋垂摩擦音」とされ、音声記号では[ ʁ ](ひっくり返った大文字の"R")で表されます。
その音は、うがいをするときの「ガラガラ」というようなしわがれ声で、「ハ行」のようにも聞こえます。
ちなみにWikipediaによればこの音「有声口蓋垂摩擦音」は、『軟口蓋の端あるいは口蓋垂と後舌を密着または接近させて気流を妨げながら喉を摩擦させることによって作られる子音』とあります。
発音の鍵を握るであろう、口蓋垂とは何なのでしょうか?
英語では「小さな○○」という口蓋垂とは?
そもそも口蓋とは何でしょうか?
口蓋とは漢字で口の蓋と書くがごとく、口の中の上側のことを指します。
口蓋は奥の方(喉に近い方)が柔らかくなっており、そのため奥の方は軟口蓋と称されます。
ではその奥の方にある、口蓋垂とは何か?
漢字で口蓋の垂れと表現されることからピンとくるかもしれませんが、これは「のどびこ」または「のどちんこ」のことです。
英語では"uvula"と言います。
実はこの"uvula"、語源を尋ねるとある果物が関わっています。
late 14c., from Late Latin uvula, from Latin uvola "small bunch of grapes," diminutive of uva "grape," from PIE root *og- "fruit, berry."
対訳:14世紀後半、後期ラテン語uvula ← ラテン語uvola「小さなブドウの房」、uva「ぶどう」の指小語、印欧祖語の語根*og-「果物、ベリー」から。
(出典:Online
English Dictionary)
その語源は、由来となったラテン語における「小さなブドウの房」とのこと。口蓋垂の見た目が似ていることからそう名付けられたのだそうです。
他の言語における「小さな○○」= 口蓋垂
さらに調べてみると、口蓋垂について「小さな○○」と表現する例が他にも見つかりました。
チェコ語 čípek(原義は「小さなピン」)
スペイン語 campanilla(原義は「小さな鐘」)
ロシア語 jazyčók(原義は「小さな舌」)※ラテン文字表記
いずれも元の単語に、対象の小ささを示す指小辞が付いた形です。
例:スペイン語 campana「鐘」+
-illa(指小語)
言語によって、異なる例えをしているのが面白いですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「口蓋垂」について調べてみました。
口蓋垂はフランス語におけるRの発音で活躍(?)するそうですが、"R"音が時代や地域によってさまざまに発音されたり、日本語の「ラ行」が実はさまざまな音で発声されていたり、音声の奥深さを感じますね。
今後も外国語学習において興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。