ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
外来語は、その流入の賛否はともかくとして、固有語には無い表現や概念を生み出したり、固有語とは異なるニュアンスの用法に一役買ったりと、我々の日常生活に不可欠なものになっています。
中には時代によって、異なる外来語が用いられることもあります。
例えば、恋人のことを一昔前は「アベック」と言いましたが現在は「カップル」と言わなければ通じないでしょう。
ちなみに「アベック」はフランス語の前置詞"avec"「~と一緒に」(英語"with"に相当)に、「カップル」は英語の名詞"couple"「一組、ペア、夫婦」に由来しています。
「ブティック」とはどんな店?
一昔前と現在で異なる外来語の例として、もう1つ「ブティック」があります。
フランス語の名詞"boutique"「店、小売店」に由来する語で、日本では衣服やアクセサリーを取り扱うおしゃれなお店という意味でもっぱら使われました・
ところが最近は「ブティック」とは言わず、「セレクトショップ」や単に「ショップ」と表現するようです。
国際化が進む中で海外へのイメージや見方も様変わりしたことが影響しているのでしょう。
以前はフランスという国やフランス語の持つおしゃれなイメージから「ブティック」がおしゃれお店を指す言葉として取り込まれ、現在は世界を席巻する英語由来の「(セレクト)ショップ」の方がスタンダードになっているのかもしれません。
フランス語"boutique"の語源とは?
ところで、"boutique"の語源を尋ねてみると、その意味は「保管庫、倉庫」に端を発しているようです。
borrowed from Old Occitan botica, from Latin apothēca, from Ancient Greek ἀποθήκη (apothḗkē).
対訳:古オック語boticaからの借用、ラテン語apotheca、古代ギリシャ語のapothekeがルーツ。
(出典:en.wiktionary)
ルーツである古代ギリシャ語"apotheke"とは、"apo-"「離れて」と"tithemi"「置く」から派生するそうで、原義は「離れて置く」場所として「保管庫、倉庫」という意味が生まれます。
その後、フランス語では「倉庫」が転じて小売店となり、更に取り入れられた日本語ではおしゃれなお店の呼称に用いられるという面白い変遷を経たのですね。
ドイツの「ブティック」はどんな店?
一方、場所が変わってドイツでは古代ギリシャ語"apotheke"を取り入れた単語"Apotheke"があります。
フランス語では語頭の"a-"が外れ二文字目の"p-"が"b-"に変化したことと比べて、ドイツ語はルーツにそっくりそのままの形を保っています。
ところでドイツ語で"Apotheke"とはあるお店のことを指し、フランス語"boutique"のように広く「店、小売店」を指す単語ではありません。
ドイツ語では「薬局」を指します。薬は品質上、安全上の観点から「離れて置く」ことは重要ですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はフランス語"boutique"「ブティック」について調べてみました。
その意味の変遷や日本語での用法、同語源のドイツ語での意味など、調べてみると興味深い発見がありました。
今後もこうした発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。