ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
松尾芭蕉の有名な一句に「古池や蛙飛び込む水の音」というのがあります。
日本のみならず海外でもよく知られた句だと思いますが、その英訳において「蛙」が単数なのか複数なのかは解釈によって意見が分かれるところでしょう。
単数か複数かで水の音のイメージが変わってきますし、複数の蛙からは騒がしい鳴き声のイメージも湧いてきます。
鳴き声から生まれたラテン語"rana"「蛙」
蛙は、「ゲロゲロ」や「ゲコゲコ」のような擬音語で表現される鳴き声が特徴ですね。
ラテン語で蛙は"rana"というそうですが、その語源は英語版Wiktionaryによると"Onomatopoeic
of croaking."「鳴き声の擬音語」だとされています。
ラテン語はローマ帝国における公用語ですが、ローマ帝国が崩壊すると各地でラテン語から派生した言語がいくつも誕生しました。
主要なものがイタリア語やフランス語、スペイン語、ポルトガル語・・・といった言語です。
これらの言語で「蛙」を意味する単語を見てみると以下の通り、ラテン語との類似性が一目瞭然です。
イタリア語 rana [ラーナ]
スペイン語 rana [ラーナ]
ポルトガル語 rã [ラン]
フランス語 grenouille
[グルヌイユ]
イタリア語やスペイン語は、ラテン語とつづりが全く同じですね。ところがフランス語になるとラテン語や他の言語と比べて何だか毛色が違います。
フランス語"grenouille"「カエル」の語源とは?
ラテン語や他の言語とは似ていないフランス語"grenouille"は、どのように生まれたのでしょうか?
語源を遡ってみましょう。
Inherited from Middle French grenouille, from Old French grenoille, alteration of renoille, from Vulgar Latin *rānucula, diminutive of rāna. The initial g- may be due to the influence of words that imitate the sound of an animal,
対訳:中期フランス語grenouille、古フランス語renoilleの変異形grenoilleから、俗ラテン語*rānucula(ranaの指小形)に由来。語頭のg-は蛙の鳴き声を擬音化した影響と思われる
(出典:en.wiktionary)
語源を遡ってみれば、フランス語"grenouille"もラテン語"rana"にルーツを求めることができるようです。
語頭の"g-"はフランス語において更に擬音化した結果とのことで、最初の3文字"gre-" [グル]がより蛙の鳴き声っぽくなっていると言えるでしょう。
ちなみに、フランス語で「(蛙が)ゲロゲロと鳴く」は"coasser" [コアセ]という動詞が相当します。
こちらには"g-"の音はありませんが、[コア]という部分に蛙の鳴き声が感じられますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は蛙の表現について調べてみました。
ちなみに、このサイト(https://apprendre.tv5monde.com/ja/aides/fayin-rnoyin-0)によるとフランス語の"R"音は[ k ]や[ g ]を発音するのとほぼ同じなのだそうで、ひょっとすると"grenouille"の語頭"gre-"はフランス語の"R"音の練習にも役立つかもしれませんね。