英語"referee"と"umpire"の違いとは?

2024/06/19

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

AI(人工知能)技術が我々の日常生活にも浸透してきていますが、スポーツにおける審判もAI導入が試行錯誤の中で進められています。

判断の正確さや公平さが特に求められる審判ですが、スポーツにおいては"referee"「レフェリー」と"umpire"「アンパイア」という二つの英語が使い分けられています。

今回は、この2語について調べてみたいと思います。


"referee"と"umpire"の違いとは?

まずは2語の違いについて。

英語版Wiktionaryによると、各見出し語において以下の記載があります。

In general, and as a usage guideline, a referee moves around with the game, while an umpire stays (approximately) in one place.

対訳:一般的に使用方法として、refereeは試合中に動き回る方を指し、対してumpireは(ほぼ)1箇所に留まる方を指します。

(参照:en.wiktionary

確かにサッカーにおける審判は「レフェリー」ですね。一方で野球は日本語では球審が一般的かもしれませんが「アンパイア」とも呼ばれます。


"referee"の語源とは?

続いてそれぞれの語源を調べてみましょう。まずは"referee"から。

1620s, an official position, "person who examines patent applications", a sense now obsolete. By 1660s as "one to whom any matter in question is referred for decision, an umpire." Also in legal use, "person selected under authority of law to try a case in place of the court" (1680s). Sporting use is recorded by 1820 (specifically of baseball from 1856).

対訳:1620年代、官職、「特許出願を審査する者」、現代では古い用法。1660年代までには「案件事項の判断を委ねられる人、審判」という意味となる。「法廷に代わり事件を審理するため、法の権限に基づいて選ばれた人」という法律用語としても(1680年代)。スポーツにおける使用は1820年代までに記録されています(具体的に、野球では1856年から)。

(参照:Online etymology dictionary

最初はお堅い用語であったようですね。

この"referee"は動詞"refer"に語尾"-ee"がついた形ですが、"-ee"は「~される()人」という意味を付与する接尾辞です。

同様の例に"emproyee"「雇用者」や"examinee"「受験者」があり、前者は「雇われた人」、後者は「試験される人」という意味になるわけです。


"umpire"の語源とは?

では続いて"umpire"の語源も調べてみましょう。

mid-14c., noumper, from Old French nonper "odd number, not even," in reference to a third person to arbitrate between two, from non "not" + per "equal," from Latin par "equal". Initial -n- lost by mid-15c. due to faulty separation of a noumpere, heard as an oumpere. Originally legal, the gaming sense first recorded 1714 (in wrestling).

対訳:14世紀半ば、noumper、古フランス語nonper「奇数の、偶数でない」から、二者間を仲裁する第三者に関連、non「否」+ per「等しい」(ラテン語par「等しい」に由来)、語頭-n-a nounperean ounpereと聞き誤ったことから15世紀半ばまでには消失した。本来は法律用語で、審判を指す用法は1714年に(レスリングで)初めて記録されている。

(参照:Online etymology dictionary

本来の綴りは"-n-"から始まる単語だったのですね。英語の不定冠詞"a"を"an"と間違えた為に現在の"umpire"という綴りになったということですが、実はこの勘違いと似た例が他の英単語にもあります。

例えば"apron"「エプロン」はもともと"napron"という綴りでした。

不定冠詞をつけて"a napron"だったのが、"an apron"と間違えられて現在の"apron"が定着してしまったというわけです。

今回の"umpire"と同じですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は「審判」を意味する英単語"referee"と"umpire"について調べてみました。

両者の使い分けや語源について調べてみると興味深い発見があるものですね。

今後もこうした発見があれば、当ブログにて取り上げていきたいと思います。

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プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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