【雑学】日本の地名に由来するポルトガルのある物とは?

2024/07/25

ポルトガル語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

今から480年程前の1543年、種子島にポルトガル人が上陸しました。

またその数年後には長崎の平戸を窓口とした南蛮貿易でポルトガルとの交易もはじまりました。

そうした関係により、ポルトガル語から日本語に取り入れられた単語は今でもよく使われています。

しかし交易により両国の物が行き来するわけですから、日本語からポルトガル語になった単語もあるはずですよね。

今回は、そんな単語を紹介します。


ポルトガル語に由来する日本食とは?

その前にポルトガル語から日本語に取り入れられた単語を1つ、見てみましょう。

「天ぷら」は海外の方にもよく知られ食されるようになった日本食ですが、その名前のルーツはポルトガル語"tempero" [テンペロ]であるとされています。

Portuguese tempero (“seasoning”) or tempera (“he/she/it seasons; season!”), third-person present singular or imperative tense of temperar (“to season, to temper”)

対訳:ポルトガル語のtempero「調味料」または動詞temperar「味つけする、調味する」の三人称単数現在及び命令法のtempera「味つけする、味つけせよ」から。

(参照:en.wiktionary

もしくは、"têmpora" [テンポラ]に由来するのではという説もあります。"têmpora"とはキリスト教において節食と祈りに捧げる期間を指します。

When Portuguese explorers (mostly Jesuit missionaries) arrived in Japan, they abstained from eating beef, pork and poultry during the Ember days, a Catholic series of holidays. Instead, they ate fried vegetables and fish. This was the first contact of the Japanese with fried food, and since then they began associating the Portuguese word têmpora (which they pronounced tenpura) with such food

対訳:ポルトガルの探検隊(主にイエズス会の宣教師)が日本に上陸したときのこと。彼らはカトリックにおける祭日である斎の期間は牛や豚、鶏の肉を食べる事を控え、代わりに揚げた野菜や魚を食べました。これが日本人と揚げ物と初めての出会いであり、以来、ポルトガル人がtempuraのように発音したtêmporaを食べ物と結びつけるようになったのでした。

(参照:en.wiktionary

どちらがルーツとして正しいのかは分かっていませんが、いずれにせよ「天ぷら」という名前はポルトガル語に由来するというのは確かなようです。


日本の地名に由来するポルトガルのある物とは?

それでは、お待たせ(しました。

反対に日本からポルトガル語に取り入れられた単語をご紹介します。

それは"leque" [レキ]です。

語源を尋ねると、日本のとある地名に由来するそうなのですが分かりますか?

ヒントは日本の南方地域の名称です。

正解は、ポルトガル語版Wikipediaの"Leque"のページで確認してみましょう。

A palavra portuguesa leque é a forma abreviada de abano léquio, sendo léquio o adjetivo relativo às ilhas Léquias, situadas a sul do Japão.

対訳:ポルトガル語lequeabano léquioの短縮形です。léquioとは日本の南方にあるLéquias諸島から派生した形容詞形です。

(参照:pt.wikipedia

うーむ、まだ今一つピンときませんか。当該のWikipediaページで"ilhas Léquias"から先のリンクに飛んでみましょう。

すると、"Ilhas Ryūkyū"のページに至ります。

もう分かりましたね。"Ryūkyū"・・・つまり、「琉球」のことでした。

実は"abano léquio"とは「琉球の扇」という意味であり、もともと"léquio"「琉球の」は後ろから名詞"abano"「扇」を修飾する形容詞でした。

それが後には名詞化して"leque"が「扇」を指すようになったのです。

当時、交易の中で扇が海を渡り「琉球」の名とともに伝わったのだと思うと、感慨深いものがありますね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は日本とポルトガルの関係から、両国に伝わった単語を調べてみました。

扇を意味する"leque"のルーツが「琉球」であるところに、日本とポルトガルの間に古くから続く関係が見て取れますね。

今後もこうした興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。

Translate

このブログを検索

プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

お問合せフォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ