【外国語】「ムカデ」の足は百本? それとも千本?【比べてみた】

2024/07/31

単語

t f B! P L

ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

たくさんの足を持つ「ムカデ」は、その姿から漢字で百足と表記されます。

一説には「百が手(ももがて = 百の手)」が転じて「ムカデ」となったと言われ、足の多さを表す数に百という数字が用いられています。

では、外国語では何と表現されるのでしょうか。今回は「ムカデ」の外国語を比べてみました。


英語で「ムカデ」は何と言う?

まずは英語での表現を調べてみましょう。

ムカデは英語で"centipede" [センティピード]と表現します。

この単語の由来は、まさに漢字表記の「百足」です。

From French centipède, from Latin centipeda, centipēs, from centi- (“hundred”) + pēs (“foot”)

対訳:フランス語のcentipède、ラテン語のcentipedacentipēsに由来、centi-「百」+ pēs「足」から。

(参照:en.wiktionary

同じくラテン語をルーツとする他の言語でも、「百足」に相当する語で表現します。

 イタリア語  centopiedi [チェントピエーディ]

 スペイン語  ciempiés [シエンピエス]

 ポルトガル語 centipede [センティペドゥ]

いずれも前半部の"cento-ciem-centi-"が「百」を意味し、後半部の"piedipiéspede"が「足」を意味します。


ゲルマン系の「ムカデ」は千の足?

一方で、ゲルマン系の言語における「ムカデ」の表現は「百足」ではありません。

何と10倍の、「千の足」です。

 ドイツ語  Tausendfüßler [タウゼントフュースラー]

 オランダ語 duizendpoot [ダイゼントポート]

それぞれ前半部の"Tausend-duizend-"が「千」を意味し、後半部の"füßpoot"が「足」を意味します。

ドイツ語には更に末尾に"-ler"がつきますが、これは「~のもの、人」といった意味の接辞です。

ところが、更に調べてみると英語においても「千の足」に相当する単語があることがわかりました。


英語で千の足という名の虫とは?

"centipede"「百足」の10倍である「千の足」に相当する英語が、"millipede" [ミリピード]です。

語源的に"milli-"が「千」を意味します。ラテン語"mille"「千」に由来し、同じルーツの語にかつて西暦2000年を前に盛り上がった「ミレニアム(英:millenium)」や長さの単位"mile"「マイル」があります。

では、この千の足もとい"millipede"は日本語では何の虫を指すのでしょうか。

辞書によると、"millipede"とは「ヤスデ」という意味のなのだとか(参照:プログレッシブ英和中辞典 5版)。

ムカデとヤスデはどちらも節足動物に分類されますが、どちらも多くの足を持つという点で共通しています。

ただ調べてみると、ムカデが1つの節から左右に1本ずつ足が出ているのに対し、ヤスデの方は1つの節から左右に2本ずつ足が出ているのだそうです。

個体あたりの節の数は種によって異なるようですが、1節あたりの数は単純にヤスデの方が2倍ということになります。

"centipede"「ムカデ(百足)」に対し、"millipede"「ヤスデ(千の足)」は1節あたりの足の数の違いが反映されているのかもしれませんね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、「ムカデ」の外国語について調べてみました。

言語によって用いられる数が異なるというのは面白いですね。

ちなみに、ネットで「centipede 意味」や「millipedeとは」等のキーワードを調べると、もれなくムカデやヤスデの画像が出てくるので、苦手な方は気を付けましょう。

Translate

このブログを検索

プロフィール

Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

お問合せフォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ