ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
たくさんの足を持つ「ムカデ」は、その姿から漢字で百足と表記されます。
一説には「百が手(ももがて = 百の手)」が転じて「ムカデ」となったと言われ、足の多さを表す数に百という数字が用いられています。
では、外国語では何と表現されるのでしょうか。今回は「ムカデ」の外国語を比べてみました。
英語で「ムカデ」は何と言う?
まずは英語での表現を調べてみましょう。
ムカデは英語で"centipede" [センティピード]と表現します。
この単語の由来は、まさに漢字表記の「百足」です。
From French centipède, from Latin centipeda, centipēs, from centi- (“hundred”) + pēs (“foot”)
対訳:フランス語のcentipède、ラテン語のcentipeda、centipēsに由来、centi-「百」+ pēs「足」から。
(参照:en.wiktionary)
同じくラテン語をルーツとする他の言語でも、「百足」に相当する語で表現します。
イタリア語 centopiedi [チェントピエーディ]
スペイン語 ciempiés [シエンピエス]
ポルトガル語 centipede [センティペドゥ]
いずれも前半部の"cento-、ciem-、centi-"が「百」を意味し、後半部の"piedi、piés、pede"が「足」を意味します。
ゲルマン系の「ムカデ」は千の足?
一方で、ゲルマン系の言語における「ムカデ」の表現は「百足」ではありません。
何と10倍の、「千の足」です。
ドイツ語 Tausendfüßler [タウゼントフュースラー]
オランダ語 duizendpoot [ダイゼントポート]
それぞれ前半部の"Tausend-、duizend-"が「千」を意味し、後半部の"füß、poot"が「足」を意味します。
ドイツ語には更に末尾に"-ler"がつきますが、これは「~のもの、人」といった意味の接辞です。
ところが、更に調べてみると英語においても「千の足」に相当する単語があることがわかりました。
英語で千の足という名の虫とは?
"centipede"「百足」の10倍である「千の足」に相当する英語が、"millipede" [ミリピード]です。
語源的に"milli-"が「千」を意味します。ラテン語"mille"「千」に由来し、同じルーツの語にかつて西暦2000年を前に盛り上がった「ミレニアム(英:millenium)」や長さの単位"mile"「マイル」があります。
では、この千の足もとい"millipede"は日本語では何の虫を指すのでしょうか。
辞書によると、"millipede"とは「ヤスデ」という意味のなのだとか(参照:プログレッシブ英和中辞典 第5版)。
ムカデとヤスデはどちらも節足動物に分類されますが、どちらも多くの足を持つという点で共通しています。
ただ調べてみると、ムカデが1つの節から左右に1本ずつ足が出ているのに対し、ヤスデの方は1つの節から左右に2本ずつ足が出ているのだそうです。
個体あたりの節の数は種によって異なるようですが、1節あたりの数は単純にヤスデの方が2倍ということになります。
"centipede"「ムカデ(百足)」に対し、"millipede"「ヤスデ(千の足)」は1節あたりの足の数の違いが反映されているのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、「ムカデ」の外国語について調べてみました。
言語によって用いられる数が異なるというのは面白いですね。
ちなみに、ネットで「centipede 意味」や「millipedeとは」等のキーワードを調べると、もれなくムカデやヤスデの画像が出てくるので、苦手な方は気を付けましょう。