ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
ゴルフは、各ホールにおける規定打数に対してどれだけ少ない打数で回ることができるかを競うスポーツですが、そのスコアには特徴的な名前がついています。
規定打数と同じ打数の場合は「パー」ですが、これは「標準、基準」という意味の英語parからきています。
パーを下回る打数の場合は?
規定打数である「パー」を下回る場合、打数によって名称が異なります。
-1…バーディ(英 birdie)
-2…イーグル(英 eagle)
-3…アルバトロス(英 albatross)
いずれも鳥に関する名前が付いています。ゴルフボールが飛ぶ様を鳥にたとえたのでしょうか。
イーグルは「ワシ」、アルバトロスは「アホウドリ」のことです。
バーディは"bird"「鳥」に語尾"-ie"がついて、幼児語で「小鳥さん」といった意味です。
バーディがゴルフのスコアを意味するようになった由来として、以下の説があります。
perhaps from bird (n.) in American English slang sense of "exceptionally clever or accomplished person or thing" (1839).
対訳:恐らく名詞birdのアメリカ英語における俗語「非常に賢い、または優れた能力を持つ人や物」(1839年)に由来。
(参照:Online
etyomology dictionary)
規定打数よりも低い打数でホールを終える=優れているという感覚が元だったというわけですね。
このバーディよりも更に低い打数であれば、「小鳥」よりも更に高く飛ぶイーグルが適用され、イーグルを更に上回る打数には、その珍しさや長距離を難なく飛ぶアルバトロスの名が適用されたとされています。
パーを上回る打数の場合は?
今度は反対に規定打数である「パー」を上回ってしまった場合ですが、パーより一打多くなってしまった場合は「ボギー」(英 "bogey")です。
二打多くなってしまった場合は「ダブルボギー」("double
bogey")、三打多いと「トリプルボギー」("triple bogey")・・・となります。
上回った場合は、特に個別の名前があるわけではなく「ボギー」に倍数を掛けて示されるのですね。
ところで、この「ボギー」とは一体何でしょうか。
先程のバーディやイーグル、アルバトロスが鳥に関係する言葉であったのに対し、およそボギーなる名前の鳥は聞いたことがありません。
辞書によると"bogey"は「おばけ、悪霊」という意味であるとありました(参照:プログレッシブ英和中辞典第5版)。
規定打数に満たないというネガティブなイメージとは言え、「おばけ、悪霊」とはちょっと意外な意味ですが、なぜ"bogey"がゴルフのスコアになったのでしょうか。
Online
etyomology dictionaryによると以下の所以が解説されています。
in golf, c. 1891, originally "number of strokes a good player is supposed to need for a given hole or course;" later, "score one over par" (1946); from the same source as bogey,
対訳:ゴルフにおける用法は1891年頃、元は「特定のホールまたはコースで優れたプレイヤーが必要とする打数」であったが、後に「パーより一打多いスコア」(1946年)となった。
(出典:Online
etyomology dictionary)
"bogey"とは本来、現在で言うところのパーに相当していたようです。
というのも、"bogey"の持つ「おばけ」という意味が、「規定打数を持つ架空のプレイヤー」という用法に発展したと考えられています。
on the notion of a "phantom" opponent, represented by the "ground score."
対訳:bogey(おばけ、悪霊)が、「グラウンドスコア(基準値)」を持つ「幻の」相手というイメージで派生したもの。
(出典:Online
etyomology dictionary)
ゲーム「マリオカート」のタイムトライアルで遊ぶと、「ゴースト」と呼ばれる記録保持者のカートが半透明の姿で走行する機能があります。
当時のボギーはまさにそのイメージにぴったりですが、後にパーの概念が規定打数とイコールの意味となってからは現在のようにネガティブなスコアを表すことになってしまったのでした。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、ゴルフにおける"bogey"「ボギー」について調べてみました。
スコットランドで発展した現代のゴルフには英語を由来とする表現が多く、調べてみると興味深い発見がありますね。
今後もこうした発見があれば、当ブログで取り上げていきたいと思います。