ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
今年11月5日はアメリカ合衆国の次期大統領を決める選挙の投票日です。
先月は共和党候補者のトランプ前大統領が演説中に銃撃を受けたり、民主党では現職のバイデン大統領が撤退を表明したりと、大きなニュースが続きました。
英語"campaign"の意味とは?
一連のニュースをみていると、"campaign"という英単語が記事タイトルや本文中に登場します。
例えば以下の通り。
VP Kamala Harris kicks off first rally of
presidential campaign in Wisconsin
(nprの今年7月23日付の記事タイトルより。リンク)
バイデン氏に代わって候補者として推されているハリス氏がウィスコンシン州で最初の選挙活動を始めたということを伝える記事です。
Do early campaign ads really make a
difference in the presidential election?
(nprの今年4月18日付の記事タイトルより、リンク)
今年の4月時点で、既に大統領選挙の関連広告(英:campaign ads)に数百万ドルのコストが掛かっており、その効果に関するレポートです。
「キャンペーン」と言えば、日本では販売促進の活動といった意味で専ら使われていますが本来の意味は何でしょうか?
Oxford languagesによる"campaign"の定義を確認してみます。
まずは名詞として、
1.an organized course of action to achieve a goal.
対訳:目標を達成するための、組織化された一連の行動
2.a series of military operations intended to achieve a particular objective, confined to a particular area, or involving a specified type of fighting.
対訳:特定の目的を達成するため、特定の地域内においてある種の戦闘を伴う一連の軍事作戦。
続いて動詞の定義です。
work in an organized and active way towards a particular goal, typically a political or social one.
対訳:(通常、政治的または社会的な)目標に向けて、組織的かつ積極的に取り組むこと。
(参照:Oxford Languages)
本来は広く行動や活動に対して用いられる語であり、日本における「キャンペーン」の用法はその一面であることが分かりますね。
英語"campaign"の語源とは?
更に"campaign"について、ルーツを遡ってみると元の意味は「平地」を表す単語だったことが分かります。
literally "open country," from Old French champagne "countryside, open country" (suited to military maneuvers), from Late Latin campania "level country" (source of Italian campagna, Spanish campaña, Portuguese campanha),
対訳:原義は「開けた土地」、古フランス語champagne「田舎、開けた土地(軍事演習に適した場所)」、後期ラテン語campania「平地」(イタリア語のcampagna、スペイン語のcampaña、ポルトガル語のcampanhaの語源)から、
(出典:Online etymology dictionary)
また、単なる平地ではなく軍事演習のための開けた土地を特に指す用法でもあったようです。それが現代英語の1つの意味である「軍事作戦」に残っているというわけです。
引用中にもある通り、同源の語は他の言語にもあります。
イタリア語"campagna"は「田舎」と「キャンペーン」の両方を持ちますが、スペイン語"campaña"とポルトガル語"campanha"は専ら「キャンペーン」の意味のみとなっています。
英語においては後に、現代のような「特定の目的に向けた一連の行動」という意味に広げられ、更に1800年初め頃から「選挙前の政治活動」という意味が米国で広がっていったのだそうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、英語"campaign"という単語の意味や語源について調べてみました。
日本における「キャンペーン」の用法よりも本来は広く意味を持っており、特に大統領選挙期間のタイミングではニュースでも頻出します。
これを機に、英語における本来の用法を押さえておきたいですね。