英語"caterpillar"「毛虫」の語源は「○○の猫」?

2024/08/19

英語

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ハロー。Yumaです。

皆様、今日も楽しんで語学してますか?

「キャタピラ」とは本来、「毛虫」を意味する英語の一般名詞ですが、建設機械を取り扱う米国の企業・キャタピラ社の名前の方が広く知られているかもしれません。

世界で初めて開発された重機の、コンベア式の移動方法からキャタピラと登録商標され、それが現在の社名にもなっているというわけです。

同社の建設機械には「CAT」のロゴがついていますが、これは"caterpillar"「キャタピラ」の最初3文字から取られており、もちろん"cat"「猫」とは関係ありません。

ですが、本当にそうでしょうか?

今回は"caterpillar"の語源について調べてみました。


英語"caterpillar"の語源とは?

Online etymology dictionaryによると、その語源はラテン語まで遡ることができるようです。

from Old North French caterpilose "caterpillar" (Old French chatepelose),(中略)from Late Latin catta pilosa, from catta "cat" + pilosus "hairy, shaggy, covered with hair,"

対訳:古北フランス語caterpilose「毛虫」(古フランス語chatepelose)から、(中略)後期ラテン語のcatta pilosaに由来し、catta「猫」+ pilosus「毛深い、毛むくじゃらの、毛で覆われた」の複合語。

(出典:Online etymology dictionary

日本語の「毛虫」に対し、英語のルーツは「毛猫」と言ったところでしょうか。

それにしても、なぜ「猫」という表現が使われたのでしょう。

あいにくそこまでは分かりかねましたが、どうやら諸外国語で「毛虫」は他にも興味深い表現で呼ばれているようです。


フランス語で「毛虫」は「小さな○○」?

上で英語"cataerpillar"のルーツについては、ラテン語からフランス語を経由して取り入れられたものだとご紹介しました。

一方、現代フランス語では「毛虫」のことを"chenille" [シュニーユ]と表現します。

その語源はというと、英語版Wiktionaryで以下の通り解説されています。

from Latin canicula (“little dog”) (because of a caterpillar's head).

対訳:ラテン語canicula「小さな犬」から(毛虫の頭の見た目から)。

(出典:en.wiktionary

ラテン語の「猫」から一転して、「犬」が使われています。その見た目から、という説ですが本当でしょうか。

毛虫に抵抗感が無ければ、ネットで「毛虫」の頭部を画像検索してみてください。

他にも、Online etymology dictionaryでは以下の言語での「毛虫」の呼び方が紹介されています。

A Swiss German name for it is teufelskatz "devil's cat." "The caterpillar has in many idioms received the name of other animals" [Kitchin, who cites also Milanese cagnon "little dog," Italian dialectal gattola "little cat," Kentish hop-dog, hop-cat, Portuguese lagarta "lizard."]

対訳:スイス・ドイツ語での名前teufelskatzは「悪魔の猫」という意味である。Kitchin氏によると、『毛虫は多くの言語で他の動物の名前が付けられている』(同氏は他に、ミラノ語cagnon「小さな犬」、イタリアの方言gattola「小さな猫」、ケント語hop-doghop-cat、ポルトガル語lagarta「トカゲ」を挙げている)。

(出典:Online etymology dictionary

「猫」や「犬」、更には「トカゲ」まで、他の動物の名前を借りているというのは面白いですね。

ちなみにポルトガル語"lagarta"では、語源的には「トカゲ」だったのが現在は「毛虫」という意味になっています。

「トカゲ」の方は"lagarto"と言って、語尾の母音が"-a"では無く"-o"です。

取り違えないよう、要注意ですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。今回は英語"caterpillar"「毛虫」について調べてみました。

調べてみると意外にも「猫」がルーツにあったわけですが、英語に限らず他の言語でも「猫」や「犬」の名が使われているなど、様々な表現があって面白いですね。

今後もこうした発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。

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Yuma
様々なヨーロッパの言語を独学し、日々の学習で得た発見や個人的に興味深い語学ネタを発信しています。外国語学習に疲れたとき、息抜きに読んでもらえれば幸いです。

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