ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
仕事や学業を怠けることを「サボる」、仕事やアルバイトの無断欠勤や勝手に辞めてしまうことを「ばっくれる」と俗に表現します。
仕事や学業は言うまでもなく、語学もサボったりばっくれたりは好ましくありません。
もし語学に対するやる気が失われた時は息抜き代わりに当ブログをどうぞ。
今回は、「サボる」や「ばっくれる」という単語の由来について調べてみました。
「サボる」の語源はフランス語?
「サボる」という語は、フランス語の名詞sabotage [サボタージュ]の「サボ」に、「~する」がくっついてできた表現です。
ちなみに本来の"sabotage"は、故意に仕事の生産性を下げたり怠業したりする労働争議の手段の1つであり、日本で言う「サボる」とはニュアンスが異なります。
元は名詞"sabot" [サボ]に語尾"-age"がついて「サボタージュ」や、語尾"-er"がついて動詞"saboter" [サボテ]が派生しています。
そもそも"sabot"は「木靴」を意味する単語でした。
なぜ「木靴」から「サボタージュ」の意味が生まれたのでしょうか。
動詞"saboter"の語源を遡ってみると、以下のように意味が変遷していったようです。
(1564) Apparait avec le sens de « jouer au sabot » ; (1690) « faire du bruit avec ses sabots » ; (1766) « faire tourner [la tête] » comme un sabot, une toupie ; (1808) « bâcler, faire en un tournemain » ; (1842) « mettre un sabot à un pieu » ; (1875) « mettre un sabot au patin du rail » ; (1897) « provoquer l'échec, faire patiner » ; (1907) « détruire clandestinement ».
対訳:1564年に「こまで遊ぶ」という意味が見られ、1690年に「木靴、こまで音を立てる」、1766年に木靴やこまのように「(目を)回す」、1808年に「ぞんざいにかたづける、すぐにやる」、1842年に「木靴を杭の上に置く」、1875年に「レールに木靴を置く」、1897年に「故障させる、滑らせる」、1907年に「秘密裡に破壊する」へと広がった。
(参照:fr.wiktionary)
"sabot"は木靴のほかにこま(独楽)の意味もあったようで、はじめは「こまで遊ぶ」とか「音を立てる」といった意味だったのが、だんだんと木靴を使って故障、破壊させるという意味へとシフトしていったのだそうです。
意味の変化した19世紀から20世紀にかけて、近代化への成長に対しする労働者の負担が偲ばれます。
「ばっくれる」の語源は?
「ばっくれる」という表現はもともと日本語の「しらばっくれる」に由来し、知らないふりをすることやしらを切るという意味でした。
ところが、偶然にもフランス語に似た音の単語が存在します。
それが"bâcler" [バクレ]で、「(仕事などを)ぞんざいにかたづける」という意味の動詞です。
これは偶然似ていた結果であり日本語「ばっくれる」とは残念ながら(?) 関係がありません。
また語源もあまりはっきりとはしていないようです。
Perhaps from unattested Middle French and Old French *bâcler, *bacler (“to hold in place, prop a door or window open”). (中略) Indirectly attested in Old French desbacler (“to clear a harbour by getting ships unloaded to make room for incoming ships with lading”).
対訳:恐らく、用法の裏付けがとれていない中期フランス語や古フランス語*bâcler, *bacler「ドアや窓を開いたままにしておく」から。(中略)古フランス語desbacler「貨物船が入港できるように、船から積み荷を降ろして場所を空けること」によって間接的に使用が裏づけられています。
(参照:en.wiktionary)
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「サボる」の由来となったフランス語の"sabotage"や"saboter"について調べてみました。
由来に関係こそないものの、たまたま「ばっくれる」と類似したフランス語が存在するのも面白いですね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介できればと思います。