ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
世界中で時代を超えて語り継がれてきた昔話や物語は数多くありますが、なかでも「イソップ寓話」は紀元前6世紀頃のギリシャで生まれたとされる大変古い寓話集です。
ちなみに寓話とは、教訓的な内容をつたえる物語であり、イソップ寓話では「北風と太陽」や「うさぎとかめ」のように自然界のものや動物が擬人化されて登場します。
「うさぎとかめ」の英語版タイトルは?
足の速いうさぎが遅いかめと競争するも、うさぎの油断によりかめが競争に勝つというお話が「うさぎとかめ」ですね。
この寓話からは、どんなに自信があっても最後まで油断してはいけないよという「うさぎ」側の教訓と、劣勢でもあきらめずやり抜けばよい結果が得られるという「かめ」側の教訓の両方が読み取れるでしょう。
原典はギリシャの生まれですが、日本はもちろん様々な国で翻訳され知られています。
では、英語で「うさぎとかめ」というタイトルは何というでしょう?
あまりに簡単な質問ですね。うさぎは"Rabbit"でかめは"turtle"だから、"The rabbit and the turtle"だと予想できます・
ところが、実は違うのです。英語版「うさぎとかめ」は次のように言います。
The hare and the tortoise
おやおや、"rabbit"でも"turtle"でも無いのですね。いったい、"hare"とか"tortoise"とは何者なのでしょうか。
"rabbit"ではなく"hare"が指す「うさぎ」とは?
正しい英語版タイトルに登場する"hare"を辞書で引いてみると、「野うさぎ」という意味が見つかりました。
また"rabbit"と"hare"の違いは、こちらのサイトによると体のサイズ("rabbit"より"hare"の方が大きい)や耳の長さ("rabbit"より"hare"の方が長い)、それから後ろ足の長さ("rabbit"より"hare"の方が長い)によって区別されるのだそうです。
この違いは、Googleの画像検索でそれぞれを検索してみると一目瞭然です。
後ろ足の長い"hare"の方が、より「うさぎ」としての速さがイメージできますね。
"turtle"ではなく"tortoise"が指す「かめ」とは?
続いて、"tortoise"の方を辞書で引いてみると「(陸上)カメ」とあります。
こちらのサイトによると、命名の違いの1番のポイントは水生か陸生か、すなわち"turtle"が水生であるのに対し、"tortoise"は陸生であるという点です。
日本語では、"turtle"は「ウミガメ」で"tortoise"は「リクガメ」とした方がより近いニュアンスかもしれません。
他の特徴として、陸生の"tortoise"は足に水かきをもっておらず、一般的に草食であるという点で"turtle"とは異なるようです。
ちなみに、"tortoise"はその発音に要注意です。つづり通りに[トートイズ]のように発音したくなりますが、正しくは[トータス]のような発音です。
「うさぎとかめ」のお話から、陸生のかめである"tortoise"が選ばれないといけませんね。
うさぎとかめの実際の歩く(走る)速さとは?
イソップ寓話や一般的なイメージで、「うさぎ」は足が速く「かめ」は足が遅いというのは疑う余地も無いと思いますが、実際のところどうでしょうか。
英語版Wikipediaには、"Fastest
animals"「最速の生き物たち」という記事があります。
それによると、"hare"のスピードは以下の通りです。
Hares can reach maximum speeds of 35 mph (56 km/h) in short distances of approximately 90 meters, and a top speed of 50 mph (80 km/h) for about 20 meters
対訳:野うさぎは、およそ90メートルという短距離では最大時速35マイル(時速56km)で走り、およそ20メートルで最高時速50マイル(時速80km)に達することができます。
(参照:en.wikipedia.org/wiki/Fastest_animals)
瞬発力も持久力も持ち合わせ、かなりの速さですね。
対する"tortoise"はどうかと調べてみると、何とギネス世界記録に"Fastest tortoise"「最速の陸生のかめ」というのがありました。
現在の世界記録は、2014年7月9日にBertieという名の「かめ」が英国で打ち立てた秒速0.28mなのだそう。時速に換算すると1,008m、およそ時速1kmというスピードです。
寓話の世界のこととはいえ、この差をひっくり返した「かめ」はすごいですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、誰もが知っている「うさぎとかめ」の英語版タイトルについて調べてみました。
うさぎもかめの一般的な英語"rabbit"と"turtle"ではなく、"hare"と"tortoise"が正しい訳だったわけですが、違いを知ればなぜ"hare"と"tortoise"なのかが分かりますね。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。