ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
日本におけるプロサッカーリーグ、通称Jリーグにおいて大阪を拠点とするクラブの1つがガンバ大阪です。
クラブ名のガンバは、イタリア語の"gamba"に由来するほか日本語の「頑張る」にも通じる名前です。
"gamba"は「脚」という意味で、サッカーにおける重要な身体パーツを象徴した名前と言えます。
英語でいえば"leg"に相当する語です。そして、日本語でも「脚」と「足」が漢字で区別されるように、また英語でも"leg"「脚」と"foot"「足」が区別されるように、イタリア語でも"gamba"は「脚」を、より具体的には「ひざから足首までの部分」を指します。
そして足首から下、日本語の「足」(英:"foot")に相当する語は"piede" [ピエーデ]といいます。
また、ひざから上、つまり「もも」(英:"thigh")に対しては"coscia" [コシャ]という語があります。
イタリア語"gamba"の語源とは?
この単語のルーツをたどってみましょう。
英語版Wiktionaryによると以下の通り解説されています。
From Late Latin gamba, from Ancient Greek kampe, from Proto-Indo-European *kamp- (“to bend; crooked”).
対訳:後期ラテン語gamba、古代ギリシャ語kampe、印欧祖語*kamp-「曲げる、曲がった」から。
(参照:en.wiktionary)
もとは、脚よりも「ひざ」の方に近い意味だったのかもしれません。
ラテン語からは、イタリア語以外にも複数の派生語が生まれています。
ざっと挙げるだけでも、フランス語の"jambe" [ジャンブ]、ルーマニア語の"gambă" [ガンバ]、スペイン語"gamba" [ガンバ]・・・。
では、その意味も同様に「脚」なのでしょうか。実はそれぞれの意味を調べてみると、意外な意味を持つ単語が見つかります。
スペイン語"gamba"の意味とは?
上で挙げた単語の意味をそれぞれ見てみましょう。
フランス語 jambe「脚」
ルーマニア語 gambă「脚」
スペイン語 gamba「エビ」
何と、スペイン語における"gamba"は「エビ」という意味なのです。
イタリア語におけるルーツを見る限り、「エビ」という意味の派生はどうにも想像がつきません。
ルーツを調べ見てみましょう。
Borrowed from Italian gamba or Vulgar Latin *gambarus, from Latin gammarus, cammarus (“lobster”), from Ancient Greek κάμμαρος (kámmaros).
対訳:イタリア語gambaまたは俗ラテン語*gambarusからの借用、ラテン語gammarus、cammarus「エビ」、古代ギリシャ語kammarosから。
(参照:en.wiktionary)
どうやら、"gamba"とよく似た語形のラテン語"gammarus,cammarus"に由来しているようです。またそのラテン語はギリシャ語"kammaros"「エビ」にルーツがあるとのことで、"gamba"のルーツと類似の派生をたどっていると言えます。
こうした類似性により、スペイン語における"gamba"は「エビ」を意味する語に落ち着いたのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、"gamba"という語について調べてみました。
冒頭のガンバ大阪は、イタリア語ネイティブからすれば「脚」が連想できますが、スペイン語ネイティブからすれば「エビ」を思い浮かべて困惑するかもしれませんね。
なお、スペイン語では「脚」のことを"pierna" [ピエルナ]と言います。
今後も興味深いネタがあれば、当ブログで紹介していきたいと思います。