ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
今年3月に北陸新幹線が福井県の敦賀駅まで延伸したことで、首都圏と北陸のアクセスは一層向上したものと思います。
私は関西圏に住んでいるので、北陸へのアクセスは敦賀までサンダーバード(JRの特急電車)を利用し、敦賀から北へは北陸新幹線に乗り換えるという具合です。
サンダーバードとはどんな鳥?
特急サンダーバードは、もともと「雷鳥」という名前に始まり、電車の進化・改良により現在の名称となりました。大阪と北陸を結ぶ電車で以前は大阪~富山間でしたが、先述の通り北陸新幹線の延伸により現在は大阪~敦賀間の運行です。
「雷鳥」とはキジ科の鳥で、一年を通して高山帯で過ごす唯一の鳥なのだそうです。
サンダーバード(英:Thunderbird)は、雷鳥の英訳に由来するものと思ってしまいますが、実はそうではありません。
"Thunderbird"は、アメリカ先住民の文化に見られる伝説的な鳥を指します。
その翼を羽ばたかせることで、雷を呼び起こす鳥だとされていたのだそうです。
以下の引用に示す語源の通り、アメリカ先住民の諸言語における名称を英語に翻訳したのが"Thunderbird"であり、実在の鳥「雷鳥」とは無関係なのです。
a translation of native words, such as Ojibwa (Algonquian) aninikii, Lakotah (Siouan) wakiya, Klamath /lmelmnis/.
対訳:オジブワ語(アルゴンキン族)のaninikii、ラコタ語(スー族)のwakiya、クラマス語の/lmelmnis/などのネイティブの単語から翻訳したもの。
(参照:Online etymology dictionary)
実在の鳥「雷鳥」は英語で何と言う?
では、実在の鳥「雷鳥」のことは英語で何と表現すればよいのでしょうか。
それに対しては、"Ptarmigan"とか"Grouse"という語があります。
どちらも発音が要注意で、前者は[ターミガン]のように語頭"p-"は発音されません。後者は[グラウス]のように"ou-"は[アウ]で、また"-s"は清音です。
両者の単語については、正確な起源が分かっていないようです。
1."Ptarmigan"の語源
bird of the grouse family, 1590s, from Gaelic tarmachan, a word of unknown origin. The unetymological pt- spelling (1680s) began in French and seems to be a mistaken Greek construction (perhaps based on pteron "wing").
対訳:ライチョウ科の鳥、1590年代、ゲール語tarmachanから、起源不詳の語。非語源的なつづりのpt-はフランス語ではじまり(1680年代)、ギリシャ語の(恐らくpteron「翼」に基づく)構造と誤認したためと思われる。
(参照:Online etymology dictionary)
面白いことに、"Ptarmigan"の語頭"P-"は後付けでルーツとは無関係だとか。
引用中にある通り、ギリシャ語"pteron"「翼」との関連だと勘違いされ現代のつづりに影響しているのです。
ちなみに「プテラノドン」の名で知られる白亜紀の翼竜は英語で"Pteranodon"ですが、この"Pter-"こそ、ギリシャ語"pteron"「翼」に由来する語です。
2."Grouse"の語源
type of game bird, 1530s, grows (plural, used collectively), of unknown origin, possibly from Latin or Welsh. Originally the moorhen of the British Isles; later the name was extended to similar birds in other places.
対訳:狩猟用の鳥の一種、1530年代、grows(複数形、集合的に用いられる)、起源不詳だが恐らくラテン語またはウェールズ語起源。もともとはブリテン諸島の「バン(ヨーロッパ産の水鳥)」を指していたが、後に他の場所にいる類似の鳥も指すようになった。
(参照:Online etymology dictionary)
一方で、"Grouse"の方はもともとブリテン諸島内の狭い範囲での鳥類の呼称でしたが、時代を経て今では広く類似の種にも使われているそうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「雷鳥」を表現する英語について調べてみました。
日本では岐阜や長野の高山帯で生息しているそうですが、南アルプスの分布が雷鳥の生息域としては南限なのだそうです。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。