ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
今年2025年の4月から10月までの半年間、「大阪・関西万博」が開催されます。
万博は万国博覧会の略称ですが、英語では"World Exposition"(略:EXPO)です。
"Exposition"とは"Ex-"「外に」+ "position"「置くこと」で成る語であることから、"World
Exposition"は世界的な展示イベントだというわけですね。
そんな万博で、よく聞く用語が「パビリオン」です。
せっかくなので大阪万博へ行く前に「パビリオン」という単語について調べておきましょう。
「パビリオン」の意味および語源とは?
英語では、"pavilion"とつづります。
その意味は辞書によると「仮設建築物、大型テント」等の記載もありますが、「パビリオン」という言葉が専ら使われていますね。
この単語のルーツを尋ねてみると、実はある昆虫に由来しているのだそうです。
from Latin papilionem (nominative papilio) "butterfly, moth," in Medieval Latin "tent"; the type of tent was so called on its resemblance to wings.
対訳:ラテン語papilionem(主格形papilio)「蝶々;蛾」に由来し、中性ラテン語期には羽のようであることから「テント」を指すようになりました。
(参照:Online etymology dictionary)
その昆虫とは、蝶々(または蛾)でした。ラテン語では、蝶々と蛾は特に区別されておらず同じ単語で呼ばれていたのですね。
英語には、古フランス語を通じて取り入れられたのだそうです。
フランス語の"papillon"と"pavillon"
ラテン語の"papilionem"は、フランス語において"papillon" [パピヨン]と変化しました。
なお現代フランス語においても、意味は「蝶々」と「蛾」の両方を持ちます。
ただし、「パビリオン」の意味はありません。
フランス語では"pavillon"が「パビリオン」を意味する単語です。
間の子音が、"p-"か"v-"かで意味が異なるので要注意ですが、どちらもルーツは同じでラテン語の"papilionem"に由来します。
ラテン語からフランス語への発展において、語中の"p-"は"b-"や"v-"の有声音へと変化する例がよく見られます。
例えば"abeille" [アベイユ]「ミツバチ」はラテン語の"apicula"から、"chèvre" [シェーヴル]「シカ」はラテン語の"capra"からといった具合です。
それを踏まえれば"papilionem"から"pavillon"への変化が正統な気もしますが、一方で"papillon"の二つ目の"p-"が保たれのは、後に再びラテン語の語形を取り入れた為だとか、俗ラテン語の異形*parpiliōnemの影響を受けた為など諸説あるそうです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、「パビリオン」という語について調べてみました。
万博においては、各国や各団体による趣向を凝らしたパビリオンもまた見どころかもしれませんね。
今年も興味深い発見があれば当ブログで紹介していきたいと思います。