ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
音楽を聴きながらの勉強については、集中力が高まるという肯定的な意見もあれば反対に注意力が散漫になるという否定的な意見のどちらも見受けられます。
聴くジャンルやボリュームによって変わってくるのでは?と思うのですが、個人的にはクラシックを聴きながら語学に取り組むとはかどるように感じています。
さて、今回はクラシック音楽で活躍する楽器の1つ、トロンボーンという語について調べてみました。
フランス語"trombone"が持つ、意外な意味とは?
ご存じのとおり、トロンボーンは金管楽器の1つです。スライドと呼ばれる長い管を伸ばしたり縮めたりして音程を変えることができるという特徴があります。
ところで、トロンボーンの画像を見てみると、この長い管が何かに似ていると思いませんか?
実は、フランス語で"trombone"には楽器「トロンボーン」という意味のほかにもう1つの意味があります。
それは、文房具の「クリップ」です。
トランペットの管は確かにクリップのようにも見えますね。
なお、針金を曲げて出来ているクリップのことを「ゼムクリップ」と呼びますが、この「ゼム」とは英国の"The Gem Manufacturing Company"という社名に由来するのだそうです。
"trombone"とは「大きなトランペット」?
楽器の方のトロンボーンは、金管楽器の中ではチューバに次ぐ大きさなのだそうです。
その大きさは、トロンボーンという名前の語源からも伺えます。
from Italian trombone, "a great trumpet," also the name of a firearm, augmentative of tromba "trumpet,"
対訳:イタリア語trombone「大きなトランペット」および銃器の名前、tromba「トランペット」の指大辞形。
(出展:Online etymology dictionary)
現代イタリア語でも"tromba"は「トランペット、らっぱ」という意味の単語です。
そこに指大辞(対象の大きさを示す接辞)である"-one"をつけたのが"trombone"の語源だったというわけです。
なお、反対に指小辞(対象の小ささを示す接辞)である"-etta"がついた"trombetta"という語もあります。
こちらは、小さならっぱ(子供用のおもちゃ等)を指す単語です。
つまり、イタリア語では"trombetta、tromba、trombone"の順でサイズが大きくなっていくわけですが、上で見た通り「トランペット」は"tromba"が相当します。
一方で英語では、"trumpet"が「トランペット」という意味ですが、この"-et"は指小辞です。
イタリア語ではより小型のらっぱを指す語が、英語では「トランペット」を指す語になっているというわけですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は"trombone"という語について調べてみました。
フランス語ではその見た目から「ゼムクリップ」の意味でも使われているというの面白いですね。
また、指大辞や指小辞は欧米語圏ではよく登場する接辞であり、いろいろ調べてみると興味深い発見がまだまだあるかもしれません。
今後もそうした発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。