ハロー。Yumaです。
皆様、今日も楽しんで語学してますか?
昨今の価格高騰の世の中にあって安い製品やサービスはそれだけで注目されがちですが、質の悪さや突然のサービス終了といった点には注意しなくてはいけません。
今の時代ある程度の価格上昇は避けられないとして、価格と品質のバランスに優れた製品やサービスを手に入れることが、「よい買い物」の条件といえるかもしれません。
「安い」を英語で何という?
「安い」というのは上で述べたように必ずしもいいイメージではありません。
「安っぽい」とか「安上がり」という表現がある通り、状況によっては質の悪さが想起されます。
相当する英語の"cheap"もまた、「安い」のほかに「安っぽい」「安上がりの」という意味があります。
よいものを安値で買えたというときは、「手頃な」という表現の方がしっくりくるでしょう。
英語でも同様に、"cheap"より"reasonable"を用いたほうがニュアンスは正しく伝わると思います。
英語"cheap"の語源とは?
今ではどちらかというとネガティブな「安さ」のイメージで使われる"cheap"ですが、語源をたどると元は単に「取引、買い物」という意味の単語でした。
c. 1500, ultimately from Old English noun ceap "traffic, a purchase," from ceapian (v.) "to trade, buy and sell," probably from early Germanic borrowings of Latin caupo "petty tradesman, huckster, peddler," cauponari "to haggle".
対訳:1500年頃、古英語の名詞ceap「取引、買い物」、ceapian(動詞)「取引する、売買する」から、恐らくラテン語caupo「商人、行商人」、cauponari「値切る」から借用した初期のゲルマン系言語に由来する。
(出展:Online etymology dictionary)
古い英語で"chapman"「行商人」という単語がありますが、"chap"「取引」+"man"「人」に由来することは上の語源から一目瞭然ですね。
これが、以下の流れにより時代を経て現代の「安い」へと転じたのだそうです。
The sense evolution is from the noun meaning "a barter, a purchase" to "a purchase as rated by the buyer," hence the adjectival meaning "inexpensive," the main modern sense, via Middle English phrases such as god chep "favorable bargain" (12c., a translation of French a bon marché).
対訳:名詞における意味は「部物交換、購入」から「購入者に評価された買い物」へと変化し、故に「高価でない」という形容詞の意味となり、中英語のフレーズgod chep「良い買い物」(12世紀、フランス語a bon marchéの翻訳)を経て現代の主要な意味になりました。
(出展:Online etymology dictionary)
安いものが購入者に評価されるというのは昔も今も変わらないということなのでしょうね。
その後16世紀後半に「低級の、ありふれた」という意味が見え始め、単なる「安い」からネガティブな意味に推移していったものと思われます。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、英語"cheap"という単語について調べてみました。
なお、他の言語でもルーツを同じくする単語があります。例えばドイツ語の"kaufen"が挙げられますが、この単語は「買う」という意味で英語のような意味の変化は起こっていません。
ほかにはデンマーク語の"købe"も、やはりその意味は「買う」です。ちなみに"købmands"「商人の」+"havn"「港」に由来しているのが、実は同国の首都コペンハーゲン(現地語"København")という都市名なのです。
今後も興味深い発見があれば、当ブログで紹介していきたいと思います。